新型コロナの感染拡大以降、横浜市内では初めての選挙となった市長選。コロナ禍で各候補者や陣営は、これまでとは異なる選挙運動を展開せざるを得なかった。
選挙運動の「定番」とも言える駅前の街頭演説も大きく様変わりした。
「全然人がいないじゃないか」。落選した林文子氏を支援した市議は駅前の人の少なさを嘆いた。コロナ禍で進むテレワークや外出自粛で、今までの選挙時に人が集まった場所に人がいない。飲食店が午後8時に閉店することもあり、7時を過ぎると駅周辺の人は一気に減っており、その時間帯に街頭演説をする候補者は少なかった。
各陣営が力を入れたのがSNSでの活動。候補者8人全員がツイッターアカウントを持ち、多くが活動の様子や翌日の街頭演説予定を伝えた。
当選した山中竹春氏は、本人の話を音声のみで配信するツイッターの機能を駆使し、推薦した立憲民主党の枝野幸男代表らをスピーカーに招く企画を実施。8千人以上がこの様子を聴いた。ほかにも山中陣営は、山中氏が政策的な考えを語る動画のほか、趣味や特技を披露する様子も配信するなど、硬軟織り交ぜた内容で有権者の関心を引こうとしていた。
仮想空間に事務所
元衆議院議員でIT担当副大臣も務めた福田峰之氏は、実際の選挙事務所を設けず、Web上に「バーチャル選挙事務所」を設置し、仮想空間で有権者の要望や意見を聞いた。事務所スタッフの会議も実際に集まらず、Web上で行うことが多かったという。今回の公約に「行政のデジタル化」を掲げており、自らの選挙戦でそのモデルを示した形だった。
福田氏はSNSだけでなく、駅前や商店街での演説も行った。結果は8人中6位。「若い層にも支持を得た」とWebの効果を感じたという。
年内実施の衆院選も含め、コロナ禍の選挙戦は続く。福田氏は「バーチャル事務所のような方法は、今後広がっていくのではないか」とSNS時代の新しい選挙戦のあり方を見据えていた。
青葉区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|