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緑区 人物風土記

公開日:2021.01.14

ドキュメンタリー映画「アリ地獄天国」を撮った映画監督
土屋 トカチさん
北八朔町在住 49歳

心揺さぶる映画作りを

 ○…長時間労働を強いられ、事故や破損を起こせば借金漬けに陥る。そんな過酷な労働環境に声をあげた引越会社の従業員を追ったドキュメンタリー。「まともな会社になってほしい」と戦い続ける主人公の姿を3年にわたり密着した。劣悪な労働環境をどう変えれば良いのか、もがく人は多く、映画を見て労働組合に相談するなど行動を起こした人もいるという。貧困ジャーナリズム大賞など多くの賞にも輝いた作品となった。「これからも心を揺さぶる映画作りを」と前を向く。

 ○…母子家庭に育つ。学費を稼ぐために新聞奨学生になったが、休みはなく、膨大な仕事をさせられる環境だった。就職活動の時間すら確保できず、フリーターに。そんな時に出合ったのは、野宿をせざるを得ない人々の視点で撮った写真や映像だった。「当事者目線で表現する映像を生涯かけて撮りたい」。そんな直感を信じて、映像制作会社の門を叩いた。

 ○…だが、ここでも、理不尽な理由で解雇されそうになる。その時、労働組合に助けられた。そんな自身の経験もあり、デビュー作は、労働組合に加入した結果、会社ぐるみの脱退工作に遭ったセメント輸送運転手のドキュメンタリー映画となった。「次は、別のテーマの映画を撮ろう」。だが、その後、会社でのイジメが原因で苦楽を共にした友人が命を絶つことになる。それが、今も労働問題を追う理由だ。

 ○…大の音楽好き。レコードを店であさるのが至福の時間だ。「妻には、『置き場がない』と怒られています」と苦笑い。コロナ禍で、映画上映も制限される日々。オンラインを使うなど、見せ方も試行錯誤の連続だ。「感謝の気持ちを忘れず、映画作りに励みたい」と意気込んだ。

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