12月3日、区内での木育イベントで講師を務める東洋英和女学院大学准教授の 三上 慧さん 東京都在住 40歳
心に根付く 自然への畏敬
○…木の声を聞く。森に生命力の輝きを見る。その度に静かに、でも確かに心が震える。東洋英和女学院大学構内の森からも、そうした喜びを日々感じる。木との触れ合いから暮らしを考える「木育」を研究テーマにしたのは、自身にとって自然な選択だった。12月、同大構内で開かれる未就学児と保護者対象の「わくわく造形あそび」と題した木育イベントで講師を務める。枝葉や木の実などで自由に作品を創作するこの催し。「触れたものからも子どもの心は育つ。優しい人に育ってほしい」
○…秋田県に生まれ育った。幼い頃からものづくりが大好き。中学、高校では美術部で部長を務めながら創作に打ち込んだ。高校時代、木彫家だった恩師が木槌とのみで、体温さえ感じられるような人体を削り出していく姿に衝撃を受けた。「想像したものが形になることが面白い」。自身も木彫に夢中になり、筑波大学でも美術を専攻。同大の大学院で芸術学の博士号も取得した。
○…家庭では小学生の娘を育てる母親の顔。親譲りで、作品制作が好きな我が子を見守りながら「子どもの作品には、本人の成長が表れてくる。見ていて楽しいし、それが趣味かな」。個人では、自宅や埼玉県内のアトリエなどで創作を楽しむ。10年前には銀座で個展を開き、大小さまざまな木彫作品を展示したほか、近年も毎年作品展に出品を続けている。
○…「自分は木に育てられている気がする」。心の土壌に、自然への畏敬の念が根を張っている。現在、准教授として保育者を志す若者に造形表現などを教える日々。そうした自身については「学ぶ欲が強い」と自覚している。「学生や子どもからも学び続けたい。学んだことを通じて、社会に貢献できれば」
|
<PR>
|
|
|
|
|
|