利殖関連詐欺が急増 被害総額は約4500万
港南区内では今年に入り、利殖関連の詐欺が連続して発生している。港南警察署によると、被害額は4件で約4500万円に上る(2月28日現在)。昨年1年間で14件だったのに対し増加の兆しを見せており、同署は警戒を強め、区民に注意を呼びかけている。
利殖関連詐欺の特徴は、ファンド、未公開株、外貨、土地などへの投資を呼びかける形で、高額を騙し取ることにある。多くの場合は、海外の為替取引や未公開株の購入、ブラジル・アフガニスタンの土地購入といった話で詐欺が行われる。
手口としては、まずパンフレットが送付されてくることが多いのが特徴。このパンフレットの完成度は高く、架空の会社にも関わらず、ホームページを製作しているケースや、バーチャルオフィスを利用して電話も繋がるなど、犯人側は周到に準備を重ねている。
その後電話がかかってきて、そこで話に乗ってしまうと、言葉巧みに100万円やそれ以上の単位で金銭を要求される。金融機関が高額振り込みに対する警戒を強めているため、直接金を取りに来ることが多い。
実際の被害例
実際に区内であったケースとしては、60代男性のもとに見知らぬ会社から突然未公開株に関するパンフレットが送られてきた後、別の大手証券会社を名乗る男から、「そのパンフレットは選ばれた人にしか届かない。その株をぜひ買いたいので、利益を保証する代わりに買ってもらえないか」と電話。話に乗ってしまった男性は、追加購入も含め、20日間で6回に分けて3500万円の被害に遭った。
また別のケースでは、カンボジアの土地に関するパンフレットが届いた後に、販売会社を名乗る男から、「その土地はいいですよ。将来住むこともできるし、売ることもできる」などと言われ、土地代として760万円の被害に遭った。
どちらのケースにおいても、犯人は数回にわたって被害者宅を訪れ、直接現金を持ち去っている。発覚したのは、その後連絡が取れなくなったことによる。
利殖関連の詐欺が今までの振り込め詐欺(オレオレ詐欺)と異なるのは、1件あたりの被害額が大きくなりがちなこと。理由は、騙されている被害者が「投資である」と思い込んでしまうことにある。特に狙われやすいのは高齢者で、定年を迎え退職金をもらった直後の人や80歳以上の人。オレオレ詐欺が認知されつつある中、あの手この手で巧みに詐欺が行われている。また、一度被害に遭ってしまうと犯人が検挙された場合でも、金はほとんど戻らないのが実情であるという。
警察では利殖詐欺の手口を書いたパンフレットを作り、巡回連絡の際に配布し、直接注意を呼びかけている。同署の担当者は「ファンド、未公開株、外貨、土地などのキーワードはまず疑わないといけない。そういったパンフレットが届き、電話が掛かってきたとしてもきっぱりと断ることが重要」と話している。
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