小中学生がいじめ議論 子ども会議がスタート
横浜市立の小中高校と特別支援学校512校の児童・生徒が主体的にいじめ根絶に向けて取り組む「横浜子ども会議」の第1回会議が各区で始まり、港南区内では6月19日に桜岡小学校で開催された。区内の学校33校から1人ずつ選ばれた代表の児童・生徒31人が意見を交換し、いじめ根絶に向けた第1歩を踏み出した。
会議は今回を含めて3回行う。まず第1回目として、各区で中学校ブロックごとに考えていくテーマを決定する「各区横浜子ども会議」を6月に実施。7月には市内を東西南北の4つの方面別に分けて、第2回目となる「方面別横浜子ども会議」を行う。港南区は南部に属し、磯子・金沢・戸塚・栄と一緒に、高校生も加わって第1回会議で決めたテーマごとに分かれて協議。その後、方面別会議で選ばれた代表が集まって8月に第3回目の「横浜こども会議」を行い、全校に発信する内容を協議して、アピール文を採択。会議の成果を、全児童・生徒28万人で共有し、各学校の取り組みに生かしていく。
真剣な話し合い
当日、31人の児童・生徒は会議について改めて説明を受けた後、中学校ブロックごとに3人から5人程度に分かれ話し合いを行った。
児童・生徒はそれぞれ、会議における自分自身の目標やめあて、がんばりたいことのほか、自らの学校の様子をブロック内で発表。その後、同会議のテーマ【1】「一人ひとりを大切にできる学校にするために」、【2】「お互いを理解し合える人間関係をつくるために」、【3】「すべての人が楽しいと心から言える学校をつくるために」、【4】「児童会・生徒会として学校を盛り上げるために」の4つのテーマの中から、どのテーマを選択するかを話し合った。
その結果、【1】を選んだのが3ブロック、【2】が4ブロック、【3】が3ブロック、【4】が1ブロックとなった。
選んだテーマはブロックを代表して、中学生がなぜそのテーマを選んだのかという理由も合わせて発表。最多の【2】を選択した笹下中ブロックは「いじめは見ている人にも問題がある。お互いを理解すればなくなると思う」と発表していた。
会議を終えて、南高附中の柏舜君は「普段は自分の学校のことしか分からないし、いじめについても話さない。ほかの学校のことも分かるのでいい機会」と振り返っていた。
一方で「なぜいじめが起きてしまうのか」ということに関して、港南中ブロックの児童・生徒は「小さなイタズラや、何かのノリが段々大きくなっていくことがいじめにつながっていくのでは」と推測していた。会議に参加した生徒は自分の学校の事に関して「現状ではいじめはない。でも、ことによっては発展するかもしれないのはある」と率直に話し、別の生徒も「上履きを隠すとか、ジュースに浸すとかは実際にある」と現状について話していた。
区内各校からは「子どもたちが自主的に取り組んでいくということで、取り組みとしてはいいのではないか」と会議を評価する声が多い。一方、「年度が変わった後に決まって、対応が難しかった」といった声も聞かれた。
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