帰宅困難者の誘導確認 上大岡駅で連携訓練
大規模地震発生時、京急線「上大岡」駅で発生した帰宅困難者を一時滞在施設へ誘導する訓練が、港南警察署と同駅により9月24日に実施された。帰宅困難者を対策とした合同訓練は2007年以来、7年ぶり。
京急線上大岡駅の1日乗降客数は14万人と、横浜、品川に次ぎ沿線でも3番目に多く、大規模地震発生時は多くの帰宅困難者が出ることが予想される。
同訓練は関係機関同士の連携確認や意識向上を目的としたもので、港南署が同駅に要請したことで実現。当日は港南署、同駅、港南区役所、元警察官による団体(一社)神奈川県警親会港南支部から26人のほか、帰宅困難者役として港南区シルバークラブ連合会から19人の会員も参加した。
大規模地震が発生し、電車が停止したという想定で訓練は開始。駅内施設の安全点検を行うため、ホーム上に溢れた乗客を駅員が一度改札外へ避難させた。その後、帰宅困難者となった乗客を港南署が一時滞在施設に指定されている区民文化センター「ひまわりの郷」へ誘導した。
また、けが人の発生も想定し、駅内に備蓄されている毛布で簡易担架を作る方法も港南署が指導した。
区内帰宅困難者8433人想定
3月に大幅改定された「港南区防災計画」によると、最大震度6強の元禄型関東地震が正午に発生した場合、区内における帰宅困難者数は8433人(通勤/5490人、通学/538人、買い物客など/2405人)が想定されている。
11年の「3・11」の際、京急線上大岡駅では地震発生直後に電車が停止し、約700〜800人の乗客が駅構内に滞在した。その後、横浜市と港南区の調整により帰宅困難者となった乗客ら約800人は、港南中学校や港南スポーツセンター、ウィリング横浜へ移動したという。
これをきっかけに、市が帰宅困難者の一時滞在施設の整備を開始。区内では現在、ひまわりの郷をはじめ、ウィリング横浜、横浜市港南国際交流ラウンジ、港南スポーツセンター、坂本祭典上大岡斎場、セントラルホール上大岡駅前式場の6施設が指定されており、上大岡駅周辺に集中している。
区によると、上大岡を除く区内の駅周辺以外でも一時滞在施設を指定する必要性はあるとしているが、現時点で具体的な予定は立っていない。
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