子育て新制度 幼稚園2園が移行予定 「来年度は現行継続」大半
2015年度から「子ども・子育て支援新制度」が全国的に始まるが、幼稚園は新制度に移行するか、現行制度のままで継続するかを選択できるため、各園で判断が分かれている。本紙調べによると、港南区内では全19園のうち、港南台幼稚園と永野幼稚園の2園が新制度の幼稚園(施設型給付幼稚園)に移行する見込みだ(10月6日起稿)。
新制度への移行について本紙が19園に取材したところ、2園が移行予定であることが分かった(未回答3園)。また19園中、認定こども園はムロノキッズと関東学院のびのびのば園の2園があるが、認定こども園は新制度に自動移行するため、少なくとも4園が新制度に移行することになる。
内閣府などが9月29日に発表した私立幼稚園への意向調査では、新制度へ移行する園は全国で22・2%にとどまることが分かった。 現在、横浜市は各園の意向を最終調整しており、幼稚園の願書配布が始まる10月15日までに、ホームページや各区役所で配布される利用案内で公表予定だ。
保育料換算の仕組みに違い
新制度への移行が増えていないのは、県の所管となる現行制度と、市の所管となる新制度で保育料換算の仕組みが異なることが理由の1つ。園によっては減収となる可能性もあるため、多くの園で「来年度は現行継続」というのが現状だ。
現行制度上では、利用者は直接園と契約し園が定める保育料を納めるほか、世帯収入に応じた「私立幼稚園就園奨励補助金」が毎年12月ごろに交付される。
新制度では同補助金はなくなり、保育所などと同様、保護者の所得に応じて市が定める保育料を支払う応能負担の仕組みに変わる。
全国に先駆け市が独自助成
今回、国が示す新制度の財源は消費税10%時の増収分となる約7000億円だが、増収分が総額確保されるのは17年度。新制度が始まる15〜16年度の間は公定価格の”過渡期”となるが、この間の財源が不明確だったことも移行が進まなかった理由の1つだ。
市ではこの2年間も事業者に運営費などを独自に助成するための財源を確保する予定。事業者が円滑に新制度へ移行できるようにすることが目的で、全国でも先駆けとなる試みだ。
新制度へ移行する港南台幼稚園は、7月下旬に市が独自助成案を提示したことがきっかけで、移行を決意したという。同園では試算した結果、現状より保護者側の保育料の負担感が減ることが分かった。「新制度に移行すると、比較的小規模できょうだい児が多い当園では保護者にも園にもメリットがある。保育環境や申込み方法なども従来のまま」と見込む。
07年4月に、市内で最初の認定こども園となったムロノキッズの村田晃理事長は「市の独自助成は事業者にはありがたい。地域が望む保育へのニーズに対して、貢献していくことが今後必要」と強調する。
市こども青少年局の担当者は「新制度が始まると、これまで接点の少なかった幼稚園と協働して子育て支援を検討できる。待機児童対策の1つにもなる」と期待している。
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