行政との協働で道路の美化活動に取り組む「港南台駅周辺マロニエハマロード・サポーター」(吉岡彬代表)は6月6日、港南台地域で続けてきたマロニエの植樹が100本に達したことを記念し、港南台駅前で式典を開催した。当日は活動に関わる関係者や来賓などが出席し、節目を祝った。
18年前に植樹が始まり、現在では街路や小中学校、公園など、港南台駅を中心とする約90万坪のエリアに広く点在するマロニエの木。植樹のきっかけは、平成4年3月に横浜市都市計画局(現・都市整備局)の事業として開催された「港南台まちづくりセミナー」で、講師から「港南台はモダンな雰囲気がある。ヨーロッパの街路樹に多いマロニエで街づくりをしてみては」と提言を受けたことだった。
セミナーを協賛し、ちょうど創立10年目を迎えていた横浜港南台商店会は、「地域の人が誇りをもてる街をつくり、子ども達のふるさとづくりにも貢献しよう」と呼びかけ、これに賛同した港南台連合自治会や地域の金融機関などと「マロニエ植樹実行委員会」を結成。翌年3月、当時の高秀秀信横浜市長や地域の小中学生を招いて港南台駅バスロータリーに初めて植樹を行うと、その後も継続的に本数を増やし続けた。
また、これまでに原産地でもあるルーマニアの駐日特命全権大使やコンスタンツァ市長が植樹に立ち会うなど、マロニエを通じた交流も広がっている。さらに港南台と同様に樹木による街づくりをしている磯子区岡村地区や港北区綱島地区とも意見交換を続けている。
役割分担が成功の秘訣
植樹を始めた当初から活動の中心的役割を担っていた同商店会の会員は、一様に地域に対する愛着が強く、10万円以上する高価な苗木の購入資金も負担。街の魅力を向上させようと、”金儲けのためではない街づくり”を実践してきた。
さらに3年前からは、活動を港南台全体に広げようと、地域ボランティアが行政と連携して街づくりを行う「ハマロード・サポーター」として取り組むことに。これにより、同商店会が植樹、横浜港南台ロータリークラブが剪定や消毒、港南台連合自治会や横浜港南台プロバスクラブまろにえが清掃活動を担うなど、商店や住民一体の活動に。そして現在、市民が植樹するマロニエの本数としては、日本最大規模を誇る地域となった。
植樹の発起人で、ハマロード・サポーターの事務局長を務める田邉義勝さんは、「港南台に住む人は、自分たちの地域を良くしたいという意識がとても高い。もっと植えてほしいとの声をいただくが、きっと実現できると思う」と力強い。また、港南台連合自治会長も務める吉岡代表は、「港南台に関わる人達の役割分担がうまくいっていることが、100本の植樹が成功した理由。地域の総合力です」と語っていた。
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