港南区内で「オレオレ詐欺」が多発しており、今年になって23件(前年比15件増)が発生、被害額は約8744万円(前年比6525万円増)にのぼっている(10月6日時点)。警察によると被害者の9割以上が、事前にオレオレ詐欺の存在を知っていたと答えており、それでもなお騙されるケースがほとんどであることも明らかになった。
「オレオレ詐欺」を含む振り込め詐欺は手口によって4つに分類されており、ほかに架空請求詐欺、融資保証詐欺、還付金詐欺などがある。港南区内で今年になって発生した振り込め詐欺の総数は27件(前年比15件増)にのぼり、神奈川県下の警察署管内でワースト3位の多さ。被害額も約9072万円(前年比6453万円増)にのぼる。
区内で特に増加する「オレオレ詐欺」について被害者23人の内訳をみると、男女別では女性が多く、男性4人に対して女性19人と8割を占める。年代別では50代1人、60代1人、70代16人、80代5人と70代以上の高齢者が多く被害に遭っている。居住別では、長男など犯人が偽装した親族と別居している被害者が22人、また「オレオレ詐欺の存在を事前に知っていた」と答えた人も22人だった。
港南警察署では被害を防ぐため、チラシや回覧板のほか、バスの車内放送などで犯罪手口の周知や注意喚起に取り組んでおり、認知度も高まっているが、同署担当者は「犯人たちは人を騙すプロ。電話で話を聞いてしまうとやはり騙されてしまう」と危機感を募らせる。「自分は大丈夫、他人事、とは思わないで」と同署は注意を呼びかける。講話会など警察官から実際の話を聞ける場を増やすなどして区民の意識を高めていく方針だ。
複数人からの電話も
最近では9月2日、区内在住70代男性が280万円の被害に。午前11時ころ、別居の長男を装った男から「タクシーに会社の鞄を忘れた。その中に小切手が入っている」と電話が入り現金を求められた。さらに長男の上司を名乗る人物から「代わりの者が受け取りに行く」と連絡が入り、午後4時半頃に被害者宅で現金を手渡してしまったという。
手口は従来とあまり変わらないが、最近では3、4人が上司や警察官などを装って登場する巧妙なケースが多い。また被害者の半数以上が「話し方や声がそっくりだった」と話しており、「本人に直接確認し直すことや、他の家族に相談することが被害に遭わないためにも必要」と担当者は話す。
振り込め詐欺の発生件数は神奈川県全体でも増加傾向で、今年すでに666件(前年比338件増)、被害総額約22億6千万円(前年比約14億2千万円増)にのぼっている(8月31日時点)。
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