全国の高校野球部OBチームによる「マスターズ甲子園2015」が12月2日、阪神甲子園球場(兵庫県)で開催された。区内在勤の三宅裕太さん(26)と丸山台在住の大川久弥さん(25)が所属する神奈川県代表・藤嶺(とうれい)学園藤沢高校OBチームは、新居浜東高校(愛媛県)OBと接戦を繰り広げた末、10対9で悲願の甲子園「1勝」を手にした。
同大会は、全国高校野球のOB・OGが年齢やキャリアに関係なく出身校別にチームを結成し、甲子園球場での試合を目指す大会として2004年にスタート。今年は全国14府県で予選が行われ、神奈川県予選には25チームが出場した。
藤嶺藤沢はブロックリーグを経て、決勝トーナメントで横浜や横浜商業といった強豪と対戦。8月に行われた決勝では昨年優勝の横浜商大を6対2で下し、初の甲子園出場を決めた。
「校歌を響かせる」
同大会では三回までを35歳以下、四回以降を36歳以上で戦い、甲子園の舞台では27歳以上の投手に限るなどの特別ルールがある。また甲子園では1戦ずつ行うのみで優勝や順位決定戦などはない。
だが三宅さんは「甲子園に行くだけでなく、どうしても勝ちたかった」と語る。藤嶺藤沢は高校野球で過去に1度、1985年に甲子園に出場したが1回戦で敗退したため「現役の時から、『甲子園で校歌を響かせる』というのが大きな目標だった」。
12月2日に行われた甲子園球場での新居浜東戦では、初回に4点を先取するなど若手が活躍を見せ、三回終了時点で6対3とリード。四回のマウンドには元西武ライオンズの石井貴(たかし)さん(44)も登場したが、降板後の五回に逆転を許す苦しい展開となった。だが藤嶺藤沢は投打に粘りを見せ、八回に勝ち越して甲子園での1勝を手にした。
選手交代で全員が出場し、「それで結果も出せたというのは、この上ない」と三宅さんは笑顔を見せた。一方、県予選で毎試合エース投手としての活躍をみせた大川さんは、年齢制限でマウンドには立てず、外野手として出場。「27歳になったらまた甲子園に行き、今度はマウンドに立ってみたい」と意欲を語った。
夢をあきらめずに
マスターズの魅力を三宅さんは、「大人になって、本気で勝負するということがなくどこか物足りなかった。マスターズでは大先輩まで本気で悔しがり、喜んでいる」と語る。2人は現在、横浜栄リトルシニア(三宅さん)、横浜南ボーイズ(大川さん)という古巣で中学生のコーチも務め、「夢は諦めなければ実現できるよと、子どもにも伝えていきたい」と話していた。
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