サイコロを振りながら、障害への理解を深めて――。横浜市は17日、「障害のある人もない人もみんながいっしょに暮らす横浜すごろく」を市庁舎や区役所で配布し始めた。学校や職場など10場面を設定し、悪いことと良いことを考える仕組み。市は「遊びの場でも学びの場でも活用してほしい」と呼びかけている。
すごろくづくりは、今年4月に施行された障害者差別解消法を踏まえた横浜市の取り組みの一環。今回は主に知的障害への理解を目的とし、知的障害がある3人が作成に参加した。
差別の場面を設定
各マス目に設定された場面で良いこと、悪いことを考えながらコマを進める仕組みで、各マス目には差別が起きやすい場面を設定。「どのようなことが障害のある人にとって差別になるのか」「障害がある人にとってどのような配慮が必要なのか」を理解するため、横浜市が昨年実施した「障害者差別に関する事例の募集」で寄せられた中から10場面を選んだ。
例えば、職場での名前の呼び方について、「障害がある人だけを呼び捨てで呼ぶ」は悪いことで1回休み、「障害がある人もない人も同じ呼び方で呼ぶ」は良いことで1つ進むとしている。そのほか、病院や公共施設の利用、役所の窓口の対応、地域の行事への参加といった場面での差別についても取り上げている。
すごろくの裏面では障害者差別解消法の要点として「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮」について掲載。イラスト付きの具体例を挙げて紹介している。
すごろくづくりに参加したメンバーは「障害を知らない1人でも多くの人に、このすごろくをやってほしい。障害のある人もこのすごろくをやって自分と違う障害のことを感じてほしい」「このすごろくを見たり、みんなで遊んだりして、障害者差別のことをもっと知ってほしい」とコメント。
市の担当者は「障害がある人もない人も気軽に交流できる機会を作ることが大切。適切な配慮を受けられるよう理解を深めていく取り組みを進めたい」と話す。
配布場所は各区役所広報相談係、市庁舎1階市民情報センター。配布部数は800部。
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