振り込め詐欺を未然に防ぐ最後の砦は金融機関――。港南警察署(青山利史署長)は先月26日、区内の11の金融機関に対し、振り込め詐欺を未然に防いだとして感謝状を贈った。県内で振り込め詐欺が増加傾向にある中、この半年間で区内の金融機関がオレオレ詐欺の手口による被害を防いだ総額は約5600万円にも上る。
神奈川県警が発表した速報値によると、今年1月から9月末までの振り込め詐欺の認知件数は845件で前年よりも161件増加。被害額は前年の約1・4倍の約28億9800万円に上る。中でも子や孫をかたるオレオレ詐欺の手口が最も多く、認知件数は前年よりも81件多い575件。被害額は前年の約1・3倍の約17億5200万円だった。
「地域一体の成果」
今回、感謝状を受けたのは▽神奈川銀行芹ヶ谷支店・同上大岡支店▽みずほ銀行上大岡支店▽三菱東京UFJ銀行上大岡支店・同上永谷支店▽横浜上永谷郵便局▽港南台郵便局▽横浜銀行上永谷支店・同港南台支店・同野庭支店▽横浜信用金庫上永谷支店――の11機関。今年4月から9月末までにオレオレ詐欺の被害を防いだ。
港南台郵便局のケースでは、長男をかたる男から「借金の保証人となり98万円用立ててほしい」と求められた女性の被害を防いだ。携帯電話で通話をしながら手続きを進めようとする女性の様子を職員が不審に思い声をかけたという。
阿部一局長は「地域や金融機関、警察が一体となって取り組んだ成果。今後もお客様への目配り気配りを重視していきたい」と話す。
港南署は振り込め詐欺対策に専属の署員を配置している。金融機関と迅速に連携できる体制を整え、高齢者の自宅を巡回するなどの対策を行ってきた。振り込め詐欺全体では、区内で今年1月から9月末までに48件が未然に防がれた。県内の警察署では最多だという。
港南署の生活安全課の担当者は「地域が連携してリスクを減らすことが大切。最後の砦ともいえる金融機関の協力があり、ありがたい」と話している。
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