今夏に開催される東京五輪で、野球とソフトボールの主会場となる横浜スタジアム。2年3カ月の大規模な改修工事も間もなく完成し、生まれ変わった「ハマスタ」が世界から注目を浴びることとなる。(株)横浜スタジアムの藤井謙宗代表取締役社長に話を聞いた。(聞き手/本紙・岩田潤)
――いよいよオリンピックイヤーが幕を上げます。工事完成を間近に控え、今のお気持ちは?
「(株)横浜DeNAベイスターズが2016年に(株)横浜スタジアムを買収したことで経営の一体化が図られ、両社の密な連携により様々な改革のスピードが上がりました。球場の座席数を増やす拡張工事は条例上の課題もありましたが、それが五輪を契機に一気に動いていった印象があります。
球団と球場の関係が深まったことは、従来では考えられないスピードでの工事を実現した大きな要因だったと思います」
――今夏には会場として世界中の注目を集めます。意気込みを。
「横浜スタジアムにとっても、東京五輪は間違いなく新たな歴史のひとつになります。もっともこれはゴールではなく、20年、30年先にもこの場所がより光り輝いているような運営が大切です。人々が集うにぎわいの場を次世代に繋いでいかなければなりません」
「大声援が選手を後押し」
――改修で座席数が2万9000席からこの春に3万5000席にまで増えます。先行して昨年ライト側ウィング席などが整備されましたが、どんな1年でしたか。
「あっという間の1年間でした。実は2018年末時点では工事の進捗が遅れており、19年シーズンの開幕に間に合うのかどうなのか、手探りの状況でもあったのです。
結果的に工事は完了して運用を開始できましたすが、直前までお客様の動線の確認などを詰めていました。横浜スタジアムは1978年の開業以来、40年以上にわたり運用されてきましたが、改修で形も変わり、お客様の動線をはじめこれまで誰も経験したことがないことの連続でした。それをひとつひとつ解決していった1年でした」
――そんな中でも、昨年の観客動員数は228万人を超え、最多を大きく更新しました。さらに稼働率も98・9%に増え、一層の盛り上がりを見せています。
「非常にありがたいことです。昨季リーグ2位だったベイスターズは勝率が5割ほどだったのですが、本拠地に限ってみると勝率はなんと6割を超えていたのです。これはお客様の声援が選手の背中を押したということであり、それを実感できたのは嬉しかったです。
またクライマックスシリーズを横浜で開催できたことも、1年間のご褒美のように感じられ、とても励みになりました。成果としても大きかったと思います」
――関内エリアでは今年、横浜市役所の移転というトピックスもあります。今後についてのお話を聞かせてください。
「市役所の跡地はホテルとしての活用やビルの建設が予定されおり、関内・関外エリアのまちは大きく変わっていくでしょう。そんな中で球場としては、まず野球の試合のない日でも人々が集うような魅力を創出していくことが課題です。インフラの更新時期を迎えている横浜市の財政への貢献にもなります。グループ全体で、また行政や企業・団体と連携して他都市の事例も参考に、新しいことにも取り組んでいければと思います」
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