2021年の年頭にあたり、本紙では港南区の今冨雄一郎区長にインタビューを行った。コロナ禍で区政運営の難しい舵取りが強いられる中、昨年を振り返り、今年の取組への思いを語った。(聞き手/本紙・伊藤圭)
――2020年度は区政運営方針に【1】安全・安心のまちづくり【2】見守り・支えあいのまちづくり【3】誰もが元気で健やかに暮らせるまちづくり【4】住み続けたいまちづくり--の4つの施策を掲げました。総括すると、どのように評価していますか?
「昨年は、区の総力を結集して感染症対策や特別定額給付金への対応、各種支援メニューの情報提供を行いました。区民の皆さまに一番身近な行政窓口として、利便性の向上や不安の払拭に努めてきました。また事業の実施にあたっても、感染症対策の観点から柔軟に見直しを行いました。
例年、屋外で多くの人を集めて開催してきた『こうなん子どもゆめワールド』も通常開催を中止としました。しかし、代替企画として、さかなクンの講演会を11月にひまわりの郷で2部制にて開催しました。同時に港南地区センターではオンラインによる中継も行い、少しでも多くの方に楽しんでいただけるよう工夫しました。
コロナ禍においても、新しい発想で企画を再検討し、実りある事業を実施することができたと思います」
--港南区は「健康アクションこうなん5」など、区民の健康づくりに積極的です。昨年は区民の健康づくりの事業や活動をバージョンアップさせることが目標の一つでしたが、振り返ってみていかがでしょうか。
「『健康づくり事業』につきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けました。区内の事業者の皆さまと共に進めてきた健康経営についても、昨年度まで行っていた認証取得を目指す事業所への訪問などが難しくなりましたが、昨年5月に港南区の健康経営フェイスブックを開設し、コロナ禍においても健康経営に関する情報発信に取り組みました。
毎年開催していた『港南ふれあいウォーキング』は、例年のような皆で集まって歩くスタイルでの開催は見合わせ、それぞれの都合で歩くことができるようにウォーキングマップを作成いただきました。実行委員の皆さまが4つのコースを考えてくださり、途中にはコースにちなんだクイズも用意されています。私も既に3つのコースを歩きましたが、楽しみながら、新たに地域の魅力を発見することができ、とても工夫されたマップだと思います。
さらに、ひまわり健康フェアも一日開催のイベントから、期間中、自分に合った健康目標を立ててチャレンジいただく『今日から健康アクションチャレンジ!!』に変更するなど臨機応変に企画を見直し、実施することができたと思います」
--地域の課題解決や魅力づくりに向けて地域との協働が進み、区役所の中でも分野を越えた横断的な取組が進んでいますが、今年の取組のポイントを教えてください。
「5月には、区民の皆さんも待望している新しい港南公会堂がオープンします。皆さんの活動の発表の場、様々な文化を楽しむ場として、ぜひご利用ください。公会堂の1階には土木事務所のほか、区民活動支援センターも入ります。地域活動の拠点として、活動団体のネットワークづくりなど、皆さんの活動の支援を行っていきたいと思います。
また『ふだんのくらしをしあわせに』を合言葉に地域の皆さま、関係団体の皆さまと作り上げてきた地域福祉保健計画『港南ひまわりプラン』の第4期計画がスタートします。一人ひとりがつながり、見守り・支えあえるまちをみんなで育てることを目標に、区民の皆さん・活動団体・行政等がそれぞれの立場でできることを連携・協力して取り組んでいけたらと思います。
しばらくはコロナを前提とした生活を送らざるを得ないと思います。地域の皆さんと一緒に『見守り、支えあい』を大事にしてきた港南区においては『新しい生活様式』を取り入れながら、人とのつながりを保つ方法を考えていく必要があります。その方策の一つとして、ICTの活用があります。自治会町内会の会議をオンラインで実施するなど、地域活動におけるインターネットやSNSなど、ICTの活用支援に取り組んでいきたいと思います。苦手意識のある方もいらっしゃると思いますが、まずはトライしてみてはいかがでしょうか。『やってみると案外簡単だった』という声もあります」
--区民の皆様へメッセージをお願いします。
「新型コロナウイルス感染症の影響により、大変厳しい状況が続いています。区民の皆さまも、ご不安やご不便を感じられることが多々あると思いますが、お困りのことがありましたら、区役所までご相談ください。
こうした状況の中でも、港南区が区民の皆さまと培ってきた『協働による地域づくり』を大切に、未来を担う子ども達がいつまでも住み続けたいと思える『愛あふれる ♡ふるさと港南』を目指してまいります。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします」
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