30周年を迎える町田グラウス山の会の創設に携わった 柿本 勝重さん 山崎町在住 74歳
「年相応に歩き続ける」
○…30年前に10人で立ち上げた会が、約180人が登録する大所帯になった。毎月の例会には常に60人以上が参加する。名称にある「グラウス」とは英語で山岳地帯に住む鳥「雷鳥」のこと。また「ガーガーうるさい」という意味も持つ。「集まった皆が自由にわいわい発言する会なのでぴったりかな」と笑顔で語る。
○…新潟に生まれ、自然に囲まれて育つ。幼少期は凍った池でスケートを楽しんだ。スケートがスキーになり、「山スキー」は今でも趣味の一つ。スキーを履いたままゆっくり登るのが好き。「ブナの林なんかを見ながらね。自然が好きなんだよ。降りる時は景色が見られないから。スキーヤーというより山屋(やまや)だね」と破顔する。家では3人の子どもは独立し、奥さんと2人暮らし。奥さんは会のメンバーではないが、趣味は同じで一緒にテントを担いで山に登る。一方で近所の奥さんたちとハイキングに行くことも。「うまく棲み分けしているみたいだね」
○…定年まで印刷業界に勤めた。20代のころの「週刊誌ブーム」時は超多忙で徹夜続きの毎日だった。山に登れないストレスもあったが自動車会社や鉄道関係で働く「不規則勤務仲間」と時間を作って登り、その後、別の会を経て、44歳で独立する形で同会を設立。「やっぱり山が好きなんだね。リフレッシュできるから」。会では仕事の経験を買われ、毎月の会報作りを担当している。「今は30周年の記念誌を作るのに忙しいよ」とその顔はどこか誇らしげだ。
○…4年連続で5500メートル級のネパール・ヤラピークを登頂している。それを「高所遠足だよ」とさらりと言い切る。岩登りが好きな人、ハイキングしかやらない人、様々な登り方をそれぞれ楽しんでいる同会の最高齢は85歳。「先輩を見ていると自分もまだまだやれる、と力をもらえる。『74歳の歩き方』でじっくりやっていきたいね」と目を輝かして話した。
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