町田版 掲載号:2018年9月27日号 エリアトップへ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の43

掲載号:2018年9月27日号

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バカとフウロ

 バカと呼ばれて喜ぶ輩(やから)がいる。有名なのが「釣りバカ」や「祭りバカ」。この「バカ」にはほほ笑ましさや好感があり愛すべきバカだが、これがレベルアップして「釣りキチガイ」「祭りキチガイ」となるとあきれられている感があるからご用心。

 フウロソウ科で普通に目につくのは花が小さいアメリカフウロ(写真左下)。よほど日本が気に入った様子で、至る所に繁茂しているが、丈はせいぜい20センチ程度だからそれほど目障りという草でもない。日本の在来種としては民間薬で有名なゲンノショウコ(同左上)がある。花は白系と赤紫系があり、見た目もかわいい。今年の春、西日本の山地の石灰地質に自生するヒメフウロ(同右下)を座間市の公園付近で見つけて驚いた。こんな所に?と一瞬大発見かと思ったが、野草は現在どこでも観賞用に売っている。おそらく、地方の道の駅などで鉢植えを買ってきたマニアが周辺住宅地にいらっしゃったのだろう。人の趣味は何気ない意外なところで棲み分けや生態系を脅かしている。

 これらのフウロソウに共通する特徴として種の飛ばし方がある。ガクの真ん中から伸びる心棒に花びらの枚数と同じ5個の種が棒の根元に張り付いていて、種が熟すと剥がれるように下から外れて柄杓のように飛ばす。この形状が神輿の天蓋(屋根)の頂点から四方の角に向かって付いている野筋(のすじ)と、先っぽのくるっと巻いた蕨手(わらびて)に似ていることから、これらのフウロソウをミコシグサと呼ぶ地域もある。それにしても小さなお神輿だが、昔は幼い子に採って見せて「もうすぐ夏まつりだよ」とあやしていたのかもしれないし、それを見た子は立派な祭りバカに育っていったのかもしれない。

 祭の季節がやってくる。誰もがその日だけは必ず地元に帰りたいという祭にしたいものだ。
 

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