神楽殿を新築した野津田神社の総代長を務める 村野 豊明さん 野津田町在住 70歳
未来へと引き継ぐために
○…野津田神社の総代長として2期6年目に大きな仕事が待っていた。長年の懸案事項でもあった神楽殿の老朽化問題。令和という新時代に建設できたことは運命だったのかもしれない。「前年度から長い時間をかけて議論を重ねてきた。いろいろな意見がありましたが、最後はみなさんの総意を信じて、それが正しいと決めました」。8月の祭りに間に合わせるため、工期を考えてぎりぎりのところで判断した。
○…この地で生まれ育ち、神社は身近な存在だった。旅回りの劇団の芝居を楽しみ、夏祭りや模擬店にわくわくした思い出がある。こうしたものを次世代に残したい。氏子の減少、地域の高齢化。祭り当日に行う「こども山車」は「子どもたちが神社や祭りに参加して良い思い出を作れるように」と考えて始めたものだ。
○…物づくりが好きで家業の製作所を継いだ。人が嫌がるような面倒で大変な仕事ほど気持ちが入った。「失敗は怖くない」が信条。若いころから経験した数々の失敗が身になっている。現在は会長の座についたが、今も現役で働く。大学生から小学生まで6人いる孫の成長が何よりも楽しみ。総代長としての務めも「家族の手伝いがあるからできる」と感謝を述べた。
○…「神社には地域に暮らす人々が安全で幸せに暮らしていけるように見守ってくれる役割があると思っています」。そんな地域の宝を未来へと引き継ぐために自分たちに何ができるだろうかと考える。神楽殿建設にあたり苦労したのが資金繰り。「氏子並びに関係者のみなさまからの奉賛金へのご協力があってこそ。総代長として心からお礼を申し上げます」。次は2期工事として境内に授与所兼囃子櫓を新設する計画がある。来年3月に任期を終えるまで、もうひと仕事が待っている。
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