町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の52
桜を見る会
小山田緑地のあさざ池近くに寒桜写真【1】が咲く。ひっそりと、それでいて凜としている。八重の花弁は細めで長さはややまばら、少し波打っている。花期は割と長くて11月から年の瀬まで楽しめる年もある。クヌギやコナラの枯れ葉が積もり、藪茗荷(ヤブミョウガ)の実【2】が色づき、高野箒(コウヤボウキ)【3】も花の盛期を終える頃、まばらながらも寒桜の花を見つけると一瞬心に春がよぎるのは、桜は春というイメージが植え付けられているからだろう。毎日毎日「桜を見る会」の稚拙な攻防が繰り広げられ、公私混同の税金無駄遣いと責める野党に対して、一般人でも解りやすいごまかしで対抗する役人と、世界の大局に焦点を逸らそうとする政府。あんなことしてる時間があったら、スコップ担いで被災地で汗を流した方がましではないだろうか、今は。その間に現地で咲き続けていた寒桜はどんな思いだったか。
次の国会でも国民が呆れる攻防をやるのだろうか。そして春を華やかに告げるソメイヨシノが国民の心をわくわくさせる頃、おそらく「花見」に代わって「どちらへ?」「桜を見る会に」とか、「桜を見る会に行こう」という皮肉を込めた会話が横行するかもしれない。令和二年の流行語大賞候補にならないよう祈る。恥ずかしいし、桜のイメージダウンだ。
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宮司の徒然 其の137町田天満宮 宮司 池田泉12月21日 |
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