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町田市立博物館より46 「悉皆調査」この漢字、読めますか? 学芸員 齊藤 晴子

掲載号:2020年8月27日号

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調査風景「キズ発見‼」
調査風景「キズ発見‼」

 町田市立博物館は、昨年6月に展示事業を終え、現在は休館して2024年度に芹ヶ谷公園内にリニューアルオープンを予定している(仮称)町田市立国際工芸美術館への引っ越しに向けての準備をしています。

 休館中には何をしているの、と市民の方に時々尋ねられますが、市内各所でミニ展示や体験講座を開催したり、昨年から今年にかけては「悉皆調査」というものを行ったりしています。

 この「悉皆調査」、普段の生活ではまず出くわさない漢字ですが、皆さん正しく読めますでしょうか? 着物に詳しい方でしたら、「悉皆屋」でピンとくるかもしれません。

 読み方の正解を言ってしまいますと、「悉皆」は「しっかい」と読みます。意味は読んで字のごとく「ことごとく・みな」という意味です。着物の悉皆屋は、染み抜きから仕立て直しまで、着物の手入れのことなら何でも請け負ってくれる職人さんのことを指します。博物館で行われる悉皆調査は、所蔵作品の全点調査、棚卸(たなおろし)のことをいいます。

 棚卸と一言で言っても、これが大変な作業です。厳重に梱包され、桐箱などに収められている作品を一点一点取り出し、状態をチェックし、寸法を測り、記録写真を撮ります。作品に傷んだ箇所があれば修復に出すかどうかを検討し、また箱が傷んでいれば作り直します(とはいえ、箱書きなどがある貴重な箱は、古くてもそれはそれで保管しておきます)。それからまた最適な方法で梱包し直すのです。

 博物館にはガラス作品は千点以上、陶磁器作品は三千点以上あるので、中には今までに十分な調査が行えていなかった作品もあります。改めてそうした作品に対面してみると、以前より自分の知識や経験が増えていることもあり「あ、実はこの作品はここが見どころだったんだ」とか、「以前の調査では気づかなかったけれど、実はここに作者のサインが彫られていた」とか思わぬ発見があったりします。悉皆調査は引っ越し前には必ず行わなければならない大仕事ですが、作品を正しく管理し、理解を深めるためにも、非常に重要な調査なのです。
 

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