ACジャパン広告学生賞の新聞広告部門でグランプリを獲得した 飛田 奏(かな)さん 桜美林大学 3年
受賞を誇りに、自信を糧に
○…「頭が真っ白になるとはこういうことか」が第一声。ACジャパン広告学生賞の新聞広告部門でグランプリを獲得した。受賞の一報を受け、徐々に湧いてくる実感とともに、嬉しさがこみ上げた。テーマにしたのは記憶に新しかったニュース。特殊詐欺被害が減らないのは、実は良い人に見える人が詐欺師であり、それにより騙されるから。ハッとするようなコピーに、ギャップのある柔らかいイラストを付け「そんな怖さをうまく落とし込めたかな」。
○…茨城県出身。「教室の隅にいる普通の女の子。どちらかというと暗い方」と自己分析。高校では演劇部に入るも好んで脇役に。「とにかく自分に自信がなくて」。絵を描くのが好きなことを知る母の勧めもあり、実技試験がなく芸術分野が学べる桜美林大学を選んだ。「画塾にも行っていないし、デッサンとかの基本もできていなかったので」と苦笑する。
○…広告デザインのゼミを専攻。昨年はコロナ禍で半年間学校に行けず、パソコンが使えない日々を経験。飲食店でのアルバイトも辞めざるを得なかった。実家にも容易に帰れず、玄関口のあいさつで済ませる程度。この受賞は心配する両親や祖母への良い知らせとなった。ただ母からは、受賞を知らせる電話が「偽物なんじゃないの」と疑われたとか。作品は全国5紙に掲載される。それを見てまた喜んでもらえる、と声を弾ませる。
○…公共広告は考えさせられる内容が多い。ぞっとするようなものも、見ていて「なるほど」と思うものも。自分もそういう人の心に触れられる作品が作れるようになりたい。今、新たな課題に取り組みながら就職活動を開始。広告会社に就職し、心に残るデザインを作るという夢に向かって一歩を踏み出す。
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