郷土愛を育むきっかけを作りたいと、2019年から制作を進めてきた「町田かるた」が先月、完成した。市内の歴史や文化が自然と学べる読み札で、町田の魅力を伝える44札となった。企画・制作の中心となった町田かるた編集委員会の須藤晏男代表は「まずは親しんでもらい、地域への愛着を醸成できればうれしい」と話す。今後、市民同士のコミュニケーションツールとして普及を目指す。
「求めよう 自由と権利 石阪昌孝」「百景の 名勝映す 薬師池」「願い込め 羽ばたく鶴は 市の形」など、五七五のリズミカルな読み札が楽しい町田のご当地かるた。人物、自然、歴史、史跡、遺跡、伝統文化・施設など多岐にわたる題材が特徴で読み札の裏には句の詳しい解説文を添えた。
絵札は、玉川大学芸術学部の学生24人と指導教員5人が参加。史実確認などに小島資料館や町田市立自由民権資料館などが協力し、イメージを膨らませながら1年間かけて制作した。
お手本は上毛かるた
発案のきっかけは群馬県出身の須藤代表。群馬県では、小学生のころから「上毛かるた」に親しむことで、地元への愛着や理解が深まる。大人になって県人同士が出会うと読み札が合言葉となり、会話が弾むという。
須藤さんによるとご当地かるたは観光や歴史など、読み札のジャンルを絞ったものが多いが、上毛かるたはバランスが良く、地域全体を知ることができる。「町田かるたも市全体を知ってもらえるよう取り上げるジャンルと枚数を決め、バランスを考えました」と須藤さん。
完成を記念して行った展示では、訪れた人からは「地元なのに、知らないこともたくさんあった。裏に説明文もあって、面白い」と好評。須藤さんは「44札に絞るのは大変だったが、札を見ながら”あれがないよね””昔はこうだったね”なんて会話のきっかけになれば」と話す。
町田かるたは今後、市内の小中学校に配布されるほか、町田市町内会・自治会連合会を通して各町内会にも手渡される。販売の予定はあるが、値段は未定。詳細が整い次第、発表するという。
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