街を代表する商店会の1つである町田仲見世商店街の会長に就いた 鈴木 志歩さん 町田市在住 49歳
それぞれの魅力、発揮させる
○…70年を超える歴史をもつ商店街のかじ取りを任された。40店ほどの店舗が並ぶ、観光スポットにもなっている場所におけるリーダーの肩書に責任の重さを感じている。「備品が無くなった。何とかして」などの商店街運営に関わる相談に乗り、「マンションの管理人のような存在になりたい」と意気込みを語る。各店がそれぞれの魅力を発することができる環境づくりに徹する――。それが役割と肝に銘じている。
○…大判焼きやたい焼き、和菓子などを売る店を父親から継いで2年。昨年度、市民が町田の一押し店を選ぶ「お店大賞」に選ばれた名物店の店主としての仕事も板についてきた。オープンして半世紀以上、お客さんの行列が絶えなかったのはその時々の流行りを取り込んできたから。老舗としての看板に甘えず、常にお客さんに喜ばれるものは何かと追及。独自の商品を次々と提供し喜ばせてきた。
○…4人の子をもつ。朝から晩まで仕事漬けの毎日を送るなか、子どもたちとの時間を多く取ることはできないが、合間をみては一緒に過ごすことを大切にしてきた。子どもからは「私はそんなに働きたくない」と言われてしまうこともあるが、そんな時に思い出すのは共働きで店を切り盛りしていた両親の背中。その忙しない姿に憧れてきた。
○…コロナ禍を経て、訪日客が訪れるなど、商店街にも活気が戻ってきた。各店、営業時間が異なることから、商店街が1つになって取り組む行事が無くなって久しいが、今月には合同で商店街の清掃を実施する考えだ。「みんなが時間を合わせるのは難しいと思うが、それぞれの役割を果たせるように準備したい」。新しい仲見世が歩みを始める。