町田市内の小学校で馬頭琴の演奏やモンゴルについて講義を行う バトジャルガル アリウン ザヤさん 桜美林大学3年 19歳
日本とモンゴルの懸け橋に
○…「学校や地域によって、児童たちの反応がいろいろ違って面白い」。小・中学校や老人ホームを回り、馬頭琴の演奏やモンゴルの広報を行う。馬頭琴は力が必要な楽器で、奏者は男性が多い。しかし小学生のころから「留学する」という目標があり、それには自国の文化を習得する必要があるだろうと始めた。「長女だから責任も重いのよ」と笑顔で話す。もともと演奏を聴くのが好きだった。そして「練習すればするほど上達するので、もっと好きになった」という。
○…モンゴル中央ゴビ出身。小学校入学を機に首都ウランバートルへ。勉強が大好きで学校に入りたくて仕方がなかった。「飛び級で入学したの。だから同級生は2歳年上」とにこやかに話す。日本式の教育を行う新モンゴル高校に入学。「先進国で技術力が高く、まじめで頑張り屋の多い日本」に思いを馳せた。そして交流を持つ桜美林大学に留学することに。「念願の日本に来られて、高校にも大学にも感謝しています」。そんな姉の姿を見て育った2人の妹たちもやはり大の日本好き。勉強も熱心で「きっと日本に来るでしょう」。
○…入学は震災のあった年だった。周りからは心配の声も上がったが、それよりも「日本へ」の思いが強かった。「日本は強い国、絶対立ち直る」と信じ、家族も賛成してくれて送り出してくれた。演奏や講義で日本各地を回っている。「日本人はモンゴル人と違って笑顔が多い」と評する。一度母親を呼び寄せ、箱根の温泉に連れて行った。「サービスも良くて、大満足で帰って行ったわ」と笑う。
○…これから就職活動。大学で習っている経済学を活かして日本での就職を希望している。しかしゆくゆくは自国へ帰るつもりだ。「モンゴルはまだまだ未発展な部分が多い。日本で様々な知識を吸収して、日本とモンゴルの懸け橋になるような仕事をしたい」と、輝くその目にモンゴルの未来が写って見えた。
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