今年で20周年を迎える「囲碁クラブ和(なごみ)」で当初から会長を務める 小西 良武さん 西鶴間在住 81歳
心のままに趣味を謳歌
○…中高段位者の対局戦「100回記念ござる大会」の張り紙が活動の歴史を物語る。中央林間に位置する「囲碁クラブ和」は今年で20周年を迎えた。これまで初心者からアマチュア八段まで、延べ約20万人が訪れ、碁石を打った。設立以降、同クラブ会長として、囲碁愛好家の居場所を守ってきた。大きな節目に「お客さんのおかげでここまで来られた。いい人に恵まれた」と感謝を述べる。
○…三浦市に次男として生まれた。少年時代は、やんちゃな性格で先生を困らせることもあったが、明るい人柄に多くの友人が集った。高校時代に父親を亡くし「自立しなければ」という使命感から勉学に励んだ。東北大学法学部に進学し、卒業後は銀行員として定年を迎えるまで勤めた。定年を目前にして趣味を作ろうと、再び囲碁を始めた。
○…同時期に定年を迎えた友人と「何か楽しい事を始めたい」と退職金で同クラブを設立した。クラブ名は「談論風発、飾りのない愉快な和める空間」をテーマに名付けた。当初は家族から反対も受けたが、今では夫と妻の二人三脚で切り盛りしている。「時に喧嘩もするが、色々とアドバイスをしてくれる。妻には感謝している」と笑みを見せる。
○…お客さんからの勧めで「日本書紀」を読み始め、古代史に熱中した。全国各地の遺跡を巡り、自作の冊子に記録を残してきた。「好きなものを共有し合うことで、未知の世界が見えてくる」と目を輝かせる。会話だけでなく、盤上で交流を図ることも多い。その日の気分で、自由気ままに打つのが自己流という。「打ち方には個性が宿る。盤上には人間模様が映る」。お客さん同士の対局を見つめて、目を細めた。
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