松田町 「鎮魂と希望の桜に」 陸前高田市で津波到達点をむすぶ、桜ライン計画始動
東日本大震災で大津波により市街地が壊滅した岩手県陸前高田市で、津波の到達点を桜でつなぎ後世に伝えていこうという”桜ライン311”活動がスタートした。第1回の植樹が6日に行われ、松田町が届けた河津桜など28本が市内に植栽された。
この活動は陸前高田市の戸羽太市長が著書『被災地の本当の話をしよう』のなかで、「桜の木をたくさん植えたい。東北の桜は5月初旬がピークになるが、震災の日付に近いタイミングで開花する早い品種があれば、震災を思い出し気持ちも新たに復興に取り組める」と記した一文に端を発する。その内容を読んだ同市青年団体協議会会長の橋詰琢見さん(34)が「青年会で取り組めないか」と8月末に戸羽市長と会談。一方、9月15日には松田町の島村俊介町長が同市を訪れ、戸羽市長に会った際に著書を読んだことを伝え、「町の河津桜を寄贈したい」と申し出た。そうしたなかで、地元の青年団体の有志らで組織された「桜ライン311実行委員会」(橋詰代表)が設立した。実行委では津波が到達した市内170キロに1万本以上を植樹することを目標にしている。
6日の第1回植樹では約100人が集まったなか、津波が到達した浄土寺(竹駒町字仲ノ沢、菅原瑞秋住職)に、松田町寄の樹齢15年の河津桜が1本目の桜として植栽された。記念式典で橋詰代表は「津波の被害を伝えていくのが責務だという思いが一つになり、実行委員会が立ち上がった。過去に同規模の津波が襲ったことが活かされておらず、私たちは悔しい。この悔しさを2度と繰り返さないように、津波が到達した点をむすぶ桜ラインを設けて後世に伝えていきたい」と話した。菅原住職は「一カ月以上前に話があり、諸手を挙げて賛成した。境内の植樹の場所は命を助けてくれた坂です」。島村町長は「町では桜まつりを2月から開催している。今回持ってきた早咲きの桜も来年の3月11日にきっと咲いてくれると思う。鎮魂の桜、希望の桜として花開くことを楽しみにしている」と伝えた。この日は浄土寺の他、市内の津波到達地点十数カ所に桜28本が植樹された。
戸羽市長は松田町生まれ
戸羽市長の母親が松田町出身で、市長も同町生まれであるという縁から、松田町では震災直後から同市への支援を展開している。今回の植樹には同町が15年の成木14本と5年の苗木6本、神奈川県も玉縄桜の苗木3本を提供した。植樹には島村町長をはじめ、鈴木眞徳議長、熊沢茂教育長、鍵和田儀一消防団長、寄桜の会、商工青年会、蛯名喜代作県政総合センター所長らが出席。植木職人として遠藤商事、内藤農園、原造園、フランドの各社がボランティアで加わった。支援を次世代につなげていくため、今後は町商工青年会(尾登慎二郎会長)等が中心になり植栽に協力していく予定だ。
実行委では塩害に強いとされる大島桜などの苗木の提供や協賛金を募集している。問合せは事務局【電話】0192・47・3399。http://sakura-line311.org
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