身体障害者水泳リレー 森君がアジアユースで金 400m自由形でも自己新
吉田島総合高校3年の森一馬君が10月にマレーシアで行われた水泳の国際大会「アジアユースパラ競技大会」に出場し、4×100m自由形リレーで金メダルを獲得した。
森君は生まれつき足に障害を抱え、普段は松葉杖を使用している。小学校3年生の時に小田原市堀之内のスポーツプラザ報徳で水泳を始め、高校1年生の時に日本障がい者水泳連盟の育成選手に選出されている。
リレーは当初出場予定はなかったが、急遽アンカーに抜擢されての出場だった。森君は「僕で抜かれたらどうしよう」ととても緊張していたが、トップで第3泳者までが繋いでくれた。まわりが見えないほど夢中で泳ぎ、タッチし顔を上げると前泳者3人が「1位だぞ」と集まってきた。「とにかく今までで1番うれしい瞬間だった」と振り返る。
森君は個人種目でも400m自由形で自己ベストを更新し3位に入ったがメダルはなし。障害者水泳は障害の度合いによりクラスが細分化されており、2カ国以上から選手の出場がないクラスはメダルが授与されない。100mの平泳ぎと背泳ぎにも出場したが記録は振るわず。メダルなしでの帰国になるところ、リレーの出場が決まった。リレーのメンバーは以前から合宿で互いに顔見知り。「(森君を)手ぶらで帰らせるわけにはいかない。獲るなら金」と一致団結し、目標通り頂点を獲った。
大会前、地元の開成町役場や高校では横断幕を作って送り出してくれた。森君が「兄のような存在」と慕うスポーツプラザ報徳の長野邦彦コーチは旅立つ前日、雨の中を自転車で激励に来てくれた。森君の母、美佐さんは「みんなで獲れたメダル。いい経験になったのでは」と活躍を喜んだ。森君は「リレーの仲間も次はライバル。来年夏のジャパンパラリンピックは育成選手のため出場権はすでにあるが、標準記録を突破し正々堂々と出場したい」と闘志を燃やし、帰国した日から練習に励んでいる。
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