金時山近くの林道(約11Km)を拡幅するなどして、箱根と南足柄を結ぶ、”南箱道路”整備事業が、今年度から始動した。観光振興や災害時の代替ルートとしての期待が高まるなか、県が2020年のオリンピックまでに完成させる予定。ルートとなる林道は現在一般車両の通行が規制されている。果たして実際はどんな道なのか。松田署の許可を取り、南足柄方面と箱根方面からそれぞれのエリア担当記者が車を走らせてみた。
「南箱」の土台となる林道は南足柄市中心部の「大雄山駅」から約6Km先、万葉公園手前の「足柄古道」バス停から始まる。停留所の先を左へ入ると、約2Km先の明神林道につながる。
景色を楽しむというよりも、ひたすら続くクネクネ道の印象が強い。そのまま6Km登ると、箱根の稜線を望むちょっとしたビューポイント=写真下にたどり着いた。鳥の鳴き声が心地よく、ナデシコの花がチラホラと咲く、静かな自然がそこにはある。県は「自然環境への影響を考慮して大規模な工事はしない」としている。
ルートはカーブの連続で全線見通しが悪い。道幅を広げて時速30Km前後で走れたとしても、センターラインがなく安全対策は困難を極めそうだ。6カ所の橋は耐重量性や幅が足りないため、すべて新調される予定だ。道すがら、工事に向けた測量にも出会った。
通行が規制されている林道とはいえ、時折、乗用車や軽トラックなどとすれ違うが、どの車両が許可車両なのかは判断できない。
松田署によると「無許可走行は違反です」とのこと。
「山に囲まれた箱根は過去の天災で幾度も道路が寸断され生活を脅かされてきた。万が一の代替ルートは一本でも多い方が頼もしい」と本紙、箱根・湯河原・真鶴版記者。足柄版記者は「山北スマートインターチェンジとの連動や箱根からの近道、箱根への近道という利便性を活かした観光振興策が重要」との見方。
観光振興に活かすにはひたすらきついカーブが続く車道の改善が不可欠。観光客、特に子どもやお年寄りには辛いだろう。酔い止め薬必携の道を好んで通る人がどれだけいるだろうか。
事業費用はルート選定時に90億という数字も出ているが、県担当課は「90億以下になる」との見通しも口にする。果たしてその費用に見合った効果をどう位置付けるかも今後の課題といえそうだ。
この道路は約25分間で南足柄と箱根町仙石原を結ぶ。南足柄側には「夕日の滝」がすぐそばにあり、地元住民は「足柄峠からの夜景がおすすめだ」という。
東名・大井松田IC〜仙石原間は渋滞なしで約50分。その間にどのような立ち寄り先が作れ、ドライバーや同乗者に優しい道に改善できるか、この6年間で克服すべき課題は多い。
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