終戦から70年――。南足柄市を中心に約260人の会員が活動する足柄史談会(押田洋二会長)が、地域の戦争体験者から新たな聴き取り調査を始める。会のメンバーは60〜80代が中心。本紙もこの取り組みの取材を通じて「語り継ぎ」を応援していく。
戦争世代が新たな取り組み
足柄史談会は、1958(昭和33)年8月に発足した地域の歴史研究グループ。発足以来刊行している機関誌『史談足柄』は、昨年までに52集を数える。76年には国会図書館の「国際標準逐次刊行物」に認定されるなど、郷土誌の資料として高い評価を受けている。
会では定期的に市内外の史跡を巡り、文化財や寺院、神社などについて調べ、毎年秋の文化財展で発表や展示を続け、古文書講座や拓本どり講習などにも取り組んでいる。
こうしたなか、戦後70年を機に、地域に住む80代以上の戦争体験者に焦点をあてた調査の意義について語る会員が増えたという。
そこで同会では、体験の聴き取りや遺品の記録など本格調査の足がかりとするため調査研究委員会を12月に立ちあげ、年明け早々にも聴き取りなどに着手する体制を整えた。
押田洋二会長(81)は今回の調査について「戦後70年を機に、身近で起こった戦争体験を発掘したい。体験者が年々減り、『今やっておかないと後がなくなる』という危機感もある」と意気込みを語る。
年明け早々にも着手する調査では、【1】戦況下の防空演習などによる銃後の守り、【2】防空壕の状況、【3】空襲日被害、【4】食生活の状況、【5】本土決戦に向けた迎撃の準備、【6】疎開児童の受け入れ状況―の6項目について聴き取りを進め、1941年12月8日〜45年8月15日までの太平洋戦争に関連した写真や軍服など遺品の情報も収録し、11月に開催される南足柄市文化祭の文化財展での展示をめざす。
情報提供を
足柄史談会では、南足柄市内や近隣市町の80代の人や家族などからの情報提供を求めている。連絡は副会長の武井延禎さん(【電話】0465・74・1036)へ。情報提供にあたっては、個人の意向や個人情報の保護を尊重する方針。
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