小田原と足柄にまつわる大学生の卒業論文を学生に発表してもらい、まちづくりの参考にする「卒業論文に学ぶ会」が、2月26日に開成町町民センターで開催された。産官学の関係者や近隣市町の住民ら80人が参加し、卒業を控えた4人が論文を発表した。
大学生が地域にまつわる研究成果を発表し参加者がその成果を講評する、双方向の企画は毎年この時期に開かれ、今年が9回目。
この日は、東京農業大学地域環境科学部の諸橋弘樹さん=東京都荒川区=が「ドローンを用いた写真測量による松田城址の再現」、大西隆友さん=小田原市曽我原=が「酒匂川流域におけるメダカの生態」、東京電機大学理工学部の岡崎翼さん=埼玉県鶴ヶ島市=と小暮知畝さん=埼玉県坂戸市=が「酒匂川における、かすみ堤の役割と地域防災」について発表した。
松田城址
松田城址に関する発表では、ドローンによる写真測量や立体プリンターなどを活用すれば「遺構の有無などが視覚的にわかる」ことを学生が示すと、参加者からは「全容解明が進んでいない松田城址の調査に役立つ」「河村城址も調査できないか」と質問が飛んだ。
小田原メダカ
大西さんが小田原市内5カ所で実施したメダカの調査では「市が取り組む保全政策が優れていることの証明になる」と評価する声も上がった。大西さんは「学内での発表は聞き手が少ない。地域の方々に聞いて頂く経験ができてよかった」と話した。大西さんは小田原市役所への就職が決まっている。
洪水想定
現存するかすみ堤を切り口に酒匂川流域の洪水を想定した岡崎さんと小倉さんは、国内で観測された日最大降雨量の数値を用いて、足柄平野の浸水被害を算出し映像化した。
完全に水が引くまでに5日かかる予測もあり「孤立化への対策が必要」「怒田団地周辺で局地的な浸水の危険がある」などと警鐘を鳴らしていた。
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