足柄版 掲載号:2018年3月10日号
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進まぬ住宅耐震化実態把握と対策を デスク・レポート

社会

 ▽今号の記事で住宅の耐震化に焦点をあてた。大きな地震の被害で生命にかかわる最も大きな課題の一つに住宅の耐震化があげられるが、個人資産への対策には行政の手が入りにくい実状もあり一筋縄ではいかない。早朝に発生した阪神・淡路大震災では、倒壊した家の下敷きになり犠牲になった人が死者全体の8割以上に及んだという。一義的には個人で身を守る必要があるものの、行政にも住民の生命や財産を守る責務がある。その点において、耐震化促進の取り組みが停滞してはならない。

 ▽松田町役場では、住宅の耐震化促進を担当する職員と上司が取材に応じた。歯切れの良い返答から行政としての課題意識を高く感じた。松田町では年に一度、町民向けの無料相談会を実施しているが、これはほぼどの市町でも行われている。松田ではそれ以外にも職員を動員して年間100軒の住宅を戸別訪問し、耐震診断や工事の補助制度を説明し、実施を促している。人口規模が小さいとはいえ、行政としてはなかなかできない取り組みだ。それでも17年度に耐震診断を受けた住宅は2軒にとどまる。

 ▽住宅は、命が守れる場所であるのが理想だ。生きるために最も必要な寝食を営む住宅の耐震化は、行政においても優先度を高めてもいい分野だ。松田町では、路面と接する住宅のブロック塀の撤去や生垣への作り変えを資金面で促す制度もある。緊急時の動線確保において重要な施策で、そうした視点から切り口を変えて耐震化を促進させようと取り組んでいる。これまで10万円だった撤去費補助の上限を18年度から20万円まで引き上げる予定もある。

 ▽とりわけ問題なのは旧耐震基準で建築された81年5月以前の古い建物で、その住民の多くが高齢化していることだ。耐震化の必要性は認識しているものの「今さらお金をかけて工事をするなら違うことにお金を使いたい」と打ち明ける住民も少なくないという。多くの市町は2020年度までの耐震化率を90%から95%に設定しているが、今回の取材で耐震化の推移を追跡している自治体は極めて少ないことが分かった。住宅耐震化の実態把握と対策の遅れは足柄上地区の重要な課題といえそうだ。

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