新型コロナウイルスの重点医療機関に指定される県立足柄上病院。自らも感染のリスクがある中、医療の最前線で奮闘する医療従事者に対し、地域から多大なる支援が届いた。医療物資や寄付金などに加えて、地域住民から寄せられた手紙は一通、一通が現場のスタッフの心を励ました。
多数の手紙の中でも地元の小学2年生の女子児童2人から寄せられたものには、封筒に「コロナに負けるな」と記され、「いつもがんばってくれてありがとう」という感謝の言葉と共に、「わたしたちも(新型コロナに)かからないためにいまは家にいます」とウイルス収束へ向け、協力するメッセージも綴られていた。
そして、文末には「わたしもみなさんのようにかんごしさんになりたい」と将来の夢も書かれていた。同院に寄せられた手紙は院内回線で周知し、医師と看護師らはその一通、一通に目を通した。
現場に立つスタッフ以外には計り知れない緊迫した状況の中、日々「見えない敵」と戦った医療従事者たちの一瞬の癒しとなり、心が折れそうになったこともあったが「また明日も頑張ろう」と非常事態に立ち向かう勇気を与えた。
また、近隣に住む一人の男子大学生からは「アルバイト代で買ったマスクを寄付したい」と突然、一本の電話が。「物資がかなり不足していたので、本当にありがたかった」と職員は当時を振り返ったが、その後、大学生から送られてきた枚数は想像を上回る1500枚だった。
4月上旬に医療用ガウンが不足し、大きなビニール袋を代用し、現場に向かうことも。病院のホームぺージで医療関係者を対象に寄付を募ったところ近隣の病院、クリニックのみならず、一般の人にも瞬く間に情報が広がり、次々に支援の手が。物資が入った段ボール一つ、ひとつにまでメッセージが込められていることもあった。
近隣地域に支援の輪が広がり企業、団体などからの寄付はアシガラパートナーズを通しても行われ、今では病院の倉庫が満杯の状態だという。
「ありがとうがんばれ!足柄上病院」
新型コロナの患者と向き合い、時には心無い風評被害もあったというが、現場で奮闘する医療関係者を救ったのが、病院周辺の道路や施設などに掲げられた「ありがとうがんばれ!足柄上病院」という横断幕だった。「地域の方々は、私たちのことを見てくれている」と全スタッフがもう一踏ん張りするきっかけにつながった。
多大な支援に医師たちは「数カ月間、心身ともに強いストレスに晒されてきたが、心の支えになったのが地域からの支援だった。通勤途中には横断幕に背中を押され、頂いた防護服に身を守りながら業務を行った。そして、手紙やメッセージに心を満たせたことに心から感謝したい」と感謝の意を示した。
数カ月に渡り、新型コロナと戦い続けた同院は感染対策を施し、通常診療を再開した。
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