県内で連日熱戦が繰り広げられている「令和2年度神奈川県高等学校野球大会」。第1シードの相洋高校でチームの主軸を担う文命中学校出身の主将・加藤陸久捕手と外野手の鈴木心晴選手(共に3年)は、高校最後の夏に挑んでいる。
2人は中学3年時に夏の全国大会に出場し、甲子園を目指し揃って地元の同校に進学。すでに1年生の秋から実力を発揮し、主軸を担い、昨夏はベスト8進出に貢献した。最上級生として迎えた昨秋の県大会は、夏と同じく準決勝で東海大相模に敗れ、再び悔し涙を呑んでいる。
目標に掲げる「甲子園出場」のチャンスは最後の夏のみとなり、鍛錬の冬を越えた時、新型コロナウイルス感染防止のために、学校が休校に。追い打ちをかけるように5月には、夏の甲子園と神奈川大会の中止が決まった。「本気で相洋史上初の甲子園出場をメンバー全員で目指していただけに、ショックが大きかった」と加藤選手が話せば、鈴木選手も「頭の中が真っ白になった」と振り返る。
「これから何のために野球をしたらいいのか」と一度は目標を見失いかけたが、仲間と共に「最高の形で夏を迎えよう」と微かな希望に期待を寄せ、再び一歩を踏み出すと、6月中旬に独自大会が開催されることになった。「小学生の時からずっとチームメートだった加藤がいつも自分の前にいた」と鈴木選手。一方、加藤選手も「いつも苦しいときに心晴のプレーと人柄に助けられた」と応え、最後の最後まで力を合わせる。
高校で再び全国大会の土を踏むことは叶わない。しかし、「相模、横浜に勝って、高校野球を終わりたい」と口を揃える文中コンビはこの夏、これまでの悔しさを全て晴らし、有終の美を飾るつもりだ。
足柄版のローカルニュース最新6件
|
|
催しいっぱいセンター祭り4月20日 |
|
|
|