山北町皆瀬川に住む主婦、和田真希さん(32)が、産業編集センター主催の「第3回暮らしの小説大賞」で最高賞にあたる大賞を受賞した。審査員から「和田さんにしか書けない」と高評価をうけた作品『野分けのあとに』はこのほど、同センターから刊行された。
静岡県生まれの和田さんは2011年の結婚を機に山北町に移り住んだ。「ナビで正しい位置が調べられない」という山奥で夫と両親、4歳の息子、不登校を経験した若者3人と野菜づくりや養鶏などを営む。
「もともと文章を書くことが好き」という和田さんは、15歳のときに柳美里の作品と出会い自分の生き様を描く作品に憧れていた。短編小説を書いたが公募するまでには至らなった。
山での暮らしにも慣れ、子育てが落ち着いた昨年10月「自分の想いを表現したい」と思いペンをとった。「普段は『和田さんのお嫁さん』『ママ』などと呼ばれる。私にしかできないことに挑戦したい」と、深夜0時から3時までの時間を使い3週間で書き上げた。
主人公は、家族との確執から摂食障害に陥り食と向き合うために農業を始めた女性。西丹沢で大切な人と出会い自分を取り戻していく。作品には山北の風景も登場する。若者との暮らしもヒントになったという。
大賞の報告を聞き「自分の作品に反応して頂いた上に賞まで頂き驚いた」と和田さん。応募作をさらに3カ月かけて改稿。多摩美大卒の経験を生かし、登場する植物の口絵も手掛けた。
単行本サイズ263頁。税別1300円。山北町の駅前通りにある武書店や開成町のミクニ書店などで好評販売中。
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