身体・知的・精神障害者の生活拠点になる作業所やグループホームの開設を目指し、障害者の母親らで発足した「青葉区型・地域共生を進める会」(布川美由紀代表)が署名活動を進めている。未整備地区は美しが丘から市ヶ尾町を含む広域にわたり、同団体は2月末、協力を求める嘆願書を徳江雅彦区長に提出する予定だ。
「常に時間に追われ、必要な買い物にもなかなか行けない」。重度身体障害のある息子(26)を港北区の作業所2カ所に区内から往復2時間かけて送迎し続ける飯島亨子さん(50)は嘆く。長年の介護でヘルニアを患い、体調が悪い日は息子を休ませざるを得ないという。「親がいつまで続けられるのか」。不安がつきまとう。
青葉区は昨年3月時点で、8741人の障害者(身体・知的・精神障害の手帳保持者)が暮らす。だが、4人〜6人規模がほとんどのグループホームは、近隣の都筑区50カ所、緑区15カ所に対し、青葉区は南部を中心に7カ所のみ。区の大半が空白地帯となっている。
新たに障害者の生活支援拠点を設け、地域で暮らせる環境づくりを目指そうと、布川さんが飯島さんら障害者の母親有志と昨年11月、同会を設立。布川さんの息子も障害があり、都筑区中川の作業所に通う。「今後、特別支援学校を卒業する次の世代の生活場所をつくることが必要」と布川さんは感じる。
親の老後や亡くなってからは、障害者は自立して生活できない場合、入所したグループホームから日中活動を行う近隣作業所に通うケースが多い。拠点がなければ地元で暮らせなくなることも課題にあげる。
行政に協力呼びかけ
現在、横浜市と青葉区あてに障害者の生活拠点整備に向け、協力を求める署名活動を展開。親の会や特別支援学校等に協力を求め、1日時点で約3千人の署名が集まっている。期間は2月中旬までの予定。事業所の設置や運営は社会福祉法人やNPO法人等が行う必要があるため、同会が並行して施設の運営法人や土地を探していく。
市が04年から進める「市障害者プラン」では生活場所の拡充が示されているが、区ごとの拠点開設目標はない。設置場所は法人の判断となるため、これまで各区で整備状況に違いが出ていた。
拠点が足りないことを青葉区は認識しており、これまでも市に対し増設の必要性を伝えてきたという。区高齢・障害支援課は「当事者側の働きかけがあれば、市にも協力を求めやすくなる。区としても拠点を実現させてほしい」としている。
布川さんは「署名を通じて、当事者と親のニーズがあり、協力者もこれだけいるということを、行政だけでなく地域の人に知ってもらいたい」と話す。
署名に関する問い合わせはメールで布川さん【メール】kaindo@msj.biglobe.ne.jpへ。
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