こどもの国開園50周年記念式典が5月28日、同園皇太子記念館で行われ、天皇、皇后両陛下が出席された。今年3月には、50周年を記念し、皇居に植えられているユウスゲを寄贈。両陛下そろっての訪問は9回目になり、開園以前からの関係が続いている。
こどもの国は、両陛下のご成婚を記念して全国から寄せられたお祝い金をもとに、「こどものための施設に」という両陛下の希望で開園。約96万平方メートルを有し、自然が生かされた遊び場として多くの人に親しまれている。
式典で天皇陛下は、開園以前の敷地は雑木林とささやぶで覆われていたという記憶に触れ、当時建設に携わった人々に向け、感謝の言葉を述べられた。その後、「自然に恵まれた遊びの広場として、多くの子どもたちに愛され、ここで育まれた経験が、子どもたちの人生を豊かにしていくことを願い、お祝いの言葉といたします」とあいさつされた。
式典後には、同園牧場の牛舎を視察。同園によると、皇后陛下は、牧場で牛乳がつくられているという説明を職員から聞き、「戦時中に疎開をした際、飼っていたヤギの世話をして乳搾りをしたのを懐かしく思い出します」と話していたという。
これまでも記念行事への出席などを含め、複数回にわたり同園を訪ねている両陛下。1985年には、皇太子殿下と妃殿下(当時)が紀宮様と開園20周年記念式典に出席。大型連休最終日で道路の混雑が予想されたため、地下鉄半蔵門線と東急田園都市線、こどもの国線を乗り継いでの道のりだった。近年では09年に、ご一家3代での訪問も。ミニSL太陽号の乗車や、牧場を楽しまれたという。
式典前の3月には皇居に植えられているユウスゲを、50周年にちなんで50株寄贈。正面改札付近のレストラン前と、皇太子記念館に植えられている。ユウスゲはユリ科の多年草で、夏になると夕方に花が咲き、翌日午前中にしぼむ。寄贈されたものはまだ苗だが、成長すれば黄色の花を咲かせる。
奈良小児童が祝辞
式典には、関係者のほか地域の小学校児童も参加した。子ども代表として横浜市立奈良小学校6年生の三浦正翔君と竹野鈴奈さんが祝辞を述べたほか、町田市立鶴川第二小学校の児童が合唱を披露。「こどもの国の歌」と「愛をあげよう」の2曲を歌った。子どもたちの歌声に、皇后陛下が小刻みにうなずきながら聴く姿も見られた。
同園の佐々木典夫理事長は「開園以来の入園者数は4100万人を超え、3世代にわたっての利用も増えてきた。自然環境を重視する運営方針をしっかりと受け継ぎ、さらに充実・発展させていきたい」と開式の辞であいさつした。
式典を振り返り、「とても緊張した」と話す三浦君と竹野さん。祝辞では竹野さんが、両陛下の金婚式のお祝いの際に同園でしだれ桜を植えた話をしたことから、両陛下は2人に「木を植えてくれてありがとう」と声をかけたという。
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