国土交通省京浜河川事務所と神奈川県はこのほど、鶴見川水系流域の最大規模降雨量を見直した新たな洪水浸水想定区域を指定・公表した。青葉区内では最大3〜5m未満の浸水が想定されていることがわかった。
今回公表されたのは、一級河川の鶴見川とその支流を含む10河川。このうち青葉区内で対象となるのは鶴見川、早淵川、恩田川の3河川だ。想定見直しは昨年の水防法改正や局地的な大雨など近年の気候変動を踏まえて9年ぶりに行われたもの。鶴見川流域の48時間での総雨量を、従来の405㎜から792㎜に引き上げた洪水の影響を試算している。横浜の過去5年間の年平均降水量と比較すると792㎜の雨は、年平均の5・4カ月分が2日間で降る状況といえる。
区役所で1・1m
青葉区内では、公表された3河川に加え黒須田川、奈良川、布川が流れており、この近辺でも浸水を想定。浸水の深さは、青葉区役所が0・6mから1・1mに引き上げられたが、おおむね0・5〜3m未満の区間が多い。田奈駅周辺や東名高速道路横浜青葉IC付近、鉄町の一部などで、区内では最大の3〜5m未満の浸水が想定されている。
浸水継続時間をみると、恩田川沿いや奈良川近辺の一部など局地的なくぼ地で最大2週間、この2河川の合流点などで72時間の継続が想定されているが、ほとんどが12時間に留まる。京浜河川事務所の担当者は「青葉区は勾配が20mほどあり、この地形を伝って上流から下流へ一気に水が流れていくので、浸水時間自体は長くない」と分析。両岸が高い地形のため「流速はある程度速いはず。川から離れる方向に避難することが大切」と注意を呼びかける。また「3m未満なら、2階までは浸水しない。1〜2日であれば、外ではなく2階への避難も視野にいれてほしい」と話す。
国交省と県は、鶴見川の大規模氾濫に対する治水対策を進めており、今回の指定・公表はこの一環。行政による避難勧告などの適切な発令や住民らの主体的な避難に役立ててもらうことが目的だ。市は今回の想定見直しを受け、今年度中に洪水ハザードマップの改訂作業に着手する予定。
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