「第1回神奈川なでしこブランド」の認定商品がこのほど発表され、市内では「相模灘 湘南しらすの沖漬け」が選ばれた。
なでしこブランドは、社会における女性の活躍を応援しようと神奈川県が新設した制度。県内の事業所や団体で、女性が開発に貢献した商品、サービス44件を認定した。
しらすの沖漬けは、採れたてのしらすを船上(沖)でタレに漬け込み、日持ちの良さと深い味わいを実現したもの。市内岡本で料理教室「鎌倉ダイニング」を主宰する矢野ふき子さん(=人物風土記で紹介)が開発した。きっかけは3年前、テレビ番組の取材で「漁師の朝ごはんに合うメニューを作ってほしい」とリクエストされたことだった。
生しらすは鮮度が落ちるのが早く、漁師の間では「持つのは1日」が常識。売れ残り廃棄する商品も多いと聞いた矢野さんは、父親が昔、ホタルイカの沖漬けを美味しそうに食べていたことを思い出し、しらすで沖漬けを作ることを思いついた。醤油、みりん、酒で作ったタレに、船上でしらすを漬け込んでもらったところ「予想をしていた以上の美味しさだった」という。その後、何度も試行錯誤を重ね、1カ月ほどで納得できるタレを完成させた。
取材で知り合った「もんざ丸」(材木座)で販売が始まった同商品は口コミでファンを増やし、現在は神奈川県しらす協議会に所属する12軒が取り扱う。
2月6日には横浜で表彰式が行われた。黒岩祐治県知事とのトークショーも行った矢野さんは「認定を機に鎌倉発祥の新しい味としてアピールしたい。生産、加工、販売を一体とした『6次産業』のモデルにもなると思う」と話している。
市内取り扱い店は、もんざ丸【電話】0467・22・2960、喜楽丸(坂ノ下)【電話】0467・50・0881、三郎丸(坂ノ下)【電話】0467・24・1331。価格は1パック(100グラム)550円から。3月のしらす漁解禁以降に安定して店頭に並ぶという。
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