市内岡本在住の松村吉子さんがこのほど、自らの戦争体験や平和への想いを『私の夢は世界平和』と題した冊子にまとめた。
1917(大正6)年、大阪に生まれた松村さんは、2月に100歳の誕生日を迎えた。今回の冊子は24歳で結婚後、転居した先で遭遇した「沼津大空襲」の経験をつづったもの。
1945年7月17日、70機を超える米軍機が投下した焼夷弾で市街地の9割が焼失したとされるこの空襲。冊子には、松村さんが幼い娘を背負って命からがら逃げのびた状況や、戦後の厳しい生活についてもまとめられており「空襲で本当に怖い思いをしたが、その後の物資不足も深刻で生きていくのもやっとだった」と振り返る。
これまで家族にも戦争体験を伝えたことがなかったという松村さんだが「100年生きてきて一番大きな出来事は戦争。その時のことは鮮明に覚えているので、今のうちに形に残したい」と考えていたという。
そこで昨年5月、現在週1回通う市内台のリハビリ施設が企画したスピーチイベントでこの思いを発表。最優秀賞を獲得し、施設を運営する会社の協力でこのほど冊子が完成した。
A5版36ページで、家に残っていた写真や第二次世界大戦の年表を入れるなど、読みやすい工夫もしたという。
今でも新聞やニュース番組に目を通し、世界の情勢について情報収集しているという松村さん。「最近、自分の国さえよければそれで良いという国が増えていて心配。思いやりの心を持っていれば、平和につながるということを伝えることができれば」と話していた。
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