松田町の「寄(やどりき)ふれあいドッグラン」と「体験実習館」のリニューアル工事がこのほど完成し、敷地内に清流を引き込む「ドッグプール」など一部施設で供用が始まった。芝生の養生などを経て7月にグランドオープンする予定。
小さな「動物村」が「関東最大級」に
寄地区を流れる中津川の右岸にある「寄ふれあいドッグラン」は、1991年に開園した「寄ふれあい動物村」を利用して2011年に本格営業を始めた。
動物園としては小さな施設だったが広さ4800平方メートルの敷地全体をドッグランとすることで「関東最大級」の施設になった。 小型犬から大型犬まで自然の水で遊べ、「アジリティー」と呼ばれる専用遊具も楽しめることがSNSや口コミで広まり、関東近県から愛犬家が訪れるようになった。
こうした注目度を活かして町は、利用者のニーズに合わせたドッグランの改修を計画し、隣接する老朽化した農業体験館をオープンカフェにリノベーションすることなどを盛り込んだ整備計画を内閣府に申請し、整備費の全額にあたる6500万円の交付金を獲得。昨年末から本格的な工事が進められていた。
整備の目玉はドッグランの中央部にある広さ100平方メートルの池を改修してつくった「ドッグプール」。酒匂川水系の中津川に注ぐ虫沢川の清流を直接施設内に引き込み、小型犬も楽しめるよう浅瀬ももうけた。
この清流はサクラマスやイワナの養殖にも利用され、サクラマスは体験実習館を改修してオープンするオープンカフェのメニューにも活用するという。
ドッグプールのオープン初日に2歳の中型犬と横浜市瀬谷区から訪れた坂本正裕さん(67)とゆうさん(32)親子は「関東近県でこんなに広くて安いところはなくSNSでも評判で毎月、東名を使って来ている。プールに浅瀬もあるので小型犬でも楽しめる。7月のグランドオープンが楽しみ」と話していた。
施設は全天候型で5月中にはシャワーやブロワーの提供も始める。敷地の半分を占める芝生ゾーンの養生が終わる7月までにレストランをオープンし、サクラマスなど地域の食材を使ったメニューも提供する。
本山町長は「ドッグランはいわば入口部分の取り組み。これを契機にさらなる地域振興を進めていきたい。自然休養村をリノベーションしてヒーリングビレッジ(癒しの村)としての価値を高めていきたい」と話している。
連休も賑わい
町は4月27日、関係者に施設をお披露目する完成式を開いた。この日にプール開きも行い、大型連休の4月29日から5月7日までの来場者数は前年から4割増の1202人、犬も2割増の676頭に及んだ。
寄地区では茶業振興と都市交流をめざす「寄自然休養村」の整備事業が1970年代から80年代にかけて進められたが、施設の老朽化や地域住民の高齢化にともなう施設の維持管理などに課題を抱えていた。
地区全体のリノベーションに着手する手始めとして、寄ふれあいドッグランと農林体験実習館の改修工事などに取り組んでいる。
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