「いつも忘れずに大切にしているのは、感謝の気持ち。こうして今があるのは、先祖や支えてくれる人たちのおかげだからね」と話す志村善一さん。黒須田で約350年続く、先祖代々の土地を受け継ぎ、横浜の都市農業を支えている。
志村さんは1970年、30歳の時に横浜北農協(現JA横浜)に入組。農協職員としても、地域の農業を支えてきた。現在は、神奈川県の農協のトップである「JA神奈川県中央会・連合会」の会長を務めている。そんな多忙な日々の中でも、日課としているのが毎朝、畑に出向くこと。「畑に行くと気持ちがリフレッシュできるんだよ」。
田畑や山が住宅街に
「家から一番近い商店までは1Kmあったよ」。開発以前の黒須田周辺は、薪炭林(しんたんりん)の山と田畑ばかりだったという。区画整理事業が行われたのは、1970年代(嶮山・早野地区)と80年代(黒須田・大場地区)。地権者たちが協力し、土地を提供したことで開発が進んだ。40年を経た現在、開発地域は戸建て住宅などが建ち並び、店舗なども点在する、閑静な住宅街となっている。「便利になった反面、少し寂しくもある複雑な気持ちかな」、在りし日に思いを馳せる。
生まれ変わる嶮山SG
開発以来、地域のランドマークとなってきた「嶮山スポーツガーデン」。再開発工事が進む同所は今年の秋、商業施設へと生まれ変わる。
同所は80年代の開発時から、将来に渡り土地の有効利用ができるように、地権者たちが共同で所有している区画。通常、区画整理は街づくり(ハード面)を行うものだが、ここでは子どもの代、孫の代でも土地を有効利用できること(ソフト面)も考えた開発が行われた。「私たち地権者は、地域のためになる施設になればと願っています」と志村さん。これからも変わらぬ思いで地域を見守る。
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