記者が見た、聞いた、感じた、を伝える あっとほーむデスク 6月11日0:00更新
戦後70年の連載コーナーで取材をした奈良在住の鴨志田イクさん(89)は、多感な青春時代を日本国のために働き、敗戦を迎えた。「同級生の男子はみんな他界している」。鴨志田さんのような当時を記憶する「語り部」も、高齢になり少なくなってきた。記事に書いていない話もたくさんある。
終戦から数年後、シベリア抑留から帰ってきた兄の話。痩せこけた体は「パサパサだった」。毎食の味噌汁に自家製の油を垂らして飲んでいたそう。極寒、極限の状況で、ろくな食事をしていなかったことが伺える。「(シベリア時代の話は)あまりしなかった」。お兄さんも当時を思い出したくなかったのだろうか。貴重な話を聞かせてもらった。
当紙面の連載コーナーを通じて戦争や平和、生き方などに思いを巡らせてもらえたら幸い。(厚)
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