桜台で障害者の就労継続支援B型事業所の4月開所に向け準備を進めている夫婦がいる。福祉と全く別の仕事をしてきたが、知的障害のある息子との生活がきっかけで一念発起。福祉の経験を積み、地域の支えも受けながら、全国で月収平均約1万6千円といわれる福祉作業所利用者の働き方改革をめざす。
準備を進めているのはNPO法人エキープの藤岡住世さんと早苗さん=写真。桜台の閑静な住宅街の一軒家を借り受け、1階にはカフェ、2階に作業所を設ける。カフェでは早苗さんが経験を活かして本格的なメニューを提供。利用者も調理補助や接客などに参加し、就労経験を積むことができる。2階ではアパレル業界で長年勤めてきた住世さんの繋がりから服飾関係の仕事を請ける。「ビジネスとして成り立たせ、ちゃんとした工賃を払えるような仕組みにしていきたい」と住世さんは意気込みを語る。
低月収の現状変えたい
藤岡さん夫婦が事業所運営を志したのは6年前。自閉症児と家族を追ったドキュメンタリー映画への出演依頼を受け、「自閉症を公表するようで悩んだが、私たちの経験が同じように悩む家族の役に立つなら」と決断。自ら上映会を青葉区内で行ったり、保護者向けの障害者就労勉強会を開くなど「カミングアウトした立場として、積極的に情報発信する役割を担わなければ」と動き出した。
そして、障害児を育てる中で大きかったのが就労の問題。雇用契約を結ばないB型事業所では全国平均の月収が1万6千円前後という現状に、「国が変わらないなら、自分たちで新しい形を作らなければ」と決意。3年まえに早期退職し、福祉の資格などを取得。「価値ある仕事を企業と契約し、しっかりした対価を受け取れる内容の受注」を進めている。
事業所の名称は「桜台メゾン」。場所探しには大家や地域の協力もあり、最高の環境が整った。現在は4月の開所に向け、行政に申請が進んでいる。詳細は「エキープカフェ」で検索を。
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