猛暑日が続き、青葉区内で熱中症の患者数が増加しており、8月は21日時点で重症を含む計41人が救急搬送されている。熱中症の増加により他の急病や事故などの救急搬送に影響が出かねないことから、青葉消防署は、「熱中症の予防が、救える命を守ることにつながる」と対策を呼びかけている。
マスク原因も
熱中症は気温や湿度の高さなどから立ちくらみや頭痛、重症になると意識不明、けいれん、高体温等の症状があり、亡くなるケースもある。同署によると今年は梅雨が長引いたことで、市内の熱中症の累計搬送者数は23日同日比で昨年を88人下回っているが、猛暑日が続いた8月中旬以降、日別では昨年を上回る状況が続いている。また、市内の熱中症搬送者のうち、約3割にあたる276人がマスク着用が原因とみられる熱中症となっており、今後も注意が必要だ(同日時点)。
一方、救急隊は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、現場に到着後、受け入れ可能な搬送先の病院が見つかるまでの時間がかかるようになったほか、出動時の装備も強化しているなど、1件の救急搬送に従来以上の時間がかかっており、1日の出動可能件数が少なくなっているのが実情だ。
特に熱中症の場合、発熱や倦怠感など新型コロナウイルスの初期症状と似ている点もある。発熱がある場合は熱中症や新型コロナウイルスの疑いに関わらず、救急隊員は専用マスクとゴーグルを付けるなど対策レベルを一段階上げざるを得ず、さらに時間がかかる要因にもなっているという。
市内の救急隊は77隊で、現場に1番近い救急隊が出動するのが原則。しかし、現状は出動要請が集中すると遠方の救急隊が出動しなければならず、搬送まで時間がかかる場合もあるという。
必要時はすぐ119番
同署の救急担当の山田隆男課長は「熱中症で意識がなかったり、けいれん、高体温などの場合は、躊躇なく119番を」とした上で、「熱中症は防げる病気」ということを踏まえ、時間が勝負となる搬送要請に応えるためにも予防の自助努力の必要性を語る。
同署によると「今年はマスクで口元が潤い、喉の渇きを感じにくいため、こまめな水分補給が重要。特に高齢者はマスクの有無に関わらず喉の渇きを感じにくくなっているため、意識的に水分を補給してほしい」とし、就寝時もエアコンを付けることを推奨する。
また「子どもがマスクを着け続ける姿も見られる。幼児は体温調節機能が弱く呼吸で体温を下げているため、マスクは大人以上にリスクが上がる。外すタイミングなど大人が注意深く見守って」と説明している。
加えて、同署は救急要請にはまれに通院を目的としたものなども見られることから、救急車の適正利用についても呼び掛けている。
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