日本体育大学横浜・健志台キャンパスで5月30日から6月13日、1年生を対象にNPO法人日本移植支援協会(高橋和子理事長)による脳死移植の授業が行われた。
同校では「身体にまつわる文化と科学の総合大学」として毎年、同協会の授業を実施。一昨年からはコロナで中止となっていたため、3年ぶりとなった。全日程、高橋理事長が講師を務めた。
日本で15歳未満の臓器移植が認められる以前、心臓病を患った知人の子どもが渡米したもののドナーが現れずに亡くなったことを機に、2000年に設立された同協会。臓器移植が必要な患者の支援を行っており、子どもを中心にこれまで100人以上を救ってきた。
授業では、脳死した人からの心臓移植が先進国の中で日本が最下位であることをグラフを用いて紹介。アメリカでは健康な人からの臓器移植(生体移植)より脳死移植が圧倒的に多いが、日本では進んでいないことに触れ、「去年10月末の時点で1万5304人がドナーを待っている。ドナーが現れないと亡くなってしまう」と訴えた。また、2008年のイスタンブール宣言によって自国内での移植が推奨されるようになったことや、2010年の法改正後は年齢制限が事実上撤廃されたことや手術できる施設が増えたことなどの変化も紹介した。
最後に、「臓器を提供する権利、しない権利」「臓器を受ける権利、受けない権利」という4つの権利を紹介。意思表示カードも配布した。
高橋理事長は「学生のうちに臓器移植という世界があることを知ってもらえたら」と話した。
青葉区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>