区内音楽施設「フィリアホール」(収容数500席・青葉台東急スクエア内)が2月17日、演奏中の災害発生を想定した『避難訓練コンサート』を実施した。東日本大震災の経験を踏まえ、実際に観客と演奏者を含めた訓練を行い、観客の避難誘導を確認することが目的。同ホールがコンサート中に避難訓練を行うのは今回が初となる。
訓練には、事前募集した観客、演奏者の東京アカデミーオーケストラ、関係者など145人が参加。地震による火災が発生したことを想定して行われた。
観客には訓練開始時間を事前に知らせず、コンサートを開始。観客が弦楽四重奏などの演奏に聞き入る中、従業員の地震発生を告げるアナウンスで避難訓練が始まった。観客は従業員の指示通り、立ち上がらず、頭を下げてその場で待機。その後、誘導に従い避難した。訓練終了後は再びオーケストラを楽しんだ。
訓練を考察した青葉消防署の深澤義一課長は「『頭を守る』『その場で待機』など適切な指導がされていた。一方で火災の出火元が分からなかった。災害時は正しい情報を伝えることが大切」と話した。親子で参加したという女性(恩田町在住・40代)は「時々コンサートを聴くので参加してみようと思った。実際は、揺れや煙の恐怖心でもっと混乱するのでは」と感想を話した。
震災を機に実施
今回の訓練のきっかけとなったのは一昨年3月に発生した東日本大震災。震災発生時、ホールは使用されていなかったため、被害はなかったが「お客様がいたら大きな混乱になっていた。今までの訓練は通用しないと危機感を持った」と岡村敬館長は話す。
それ以前、同ホールの災害対策は青葉台東急スクエア全体の訓練に参加するほか、消火器や非常階段の位置確認、災害時対応マニュアルの指導のみ。ホール独自の避難訓練は、一部のスタッフに限られていた。
訓練実施を経て、「この経験を踏まえ、より安全なホール運営に努めたい。今後は、フロア全体や1階出口までの誘導も検討したい」と岡村館長は話す。
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