横浜市は今後10年間で木造密集地域などの全壊焼失被害の半減を目標に、2014年度から新施策を講じる。都市計画道路の前倒し整備による延焼の分断や、建築物の不燃化、感震ブレーカー設置などハード、ソフト両面の強化を目指す。
横浜市では東日本大震災を受けて地震被害想定を見直し、その被害軽減の目標と対策をまとめた「横浜市地震防災戦略」を昨年4月に策定した。想定では全壊焼失棟数を市内全体で11万2000棟と試算。火災による焼失棟数が過去の想定と比べて激増したことを受け、地震防災戦略で「火災による被害の軽減」を重点施策の一つに掲げ、今年度検討を重ねてきた。
新方針では、今後10年間で木造密集地域などの全壊焼失棟数の半減をめざす。被害が大きいと予想される地域(左図緑から赤の地域)を中心に、重点対策地域(約1200ha)・対策地域(約3700ha)を定め、優先的に整備する。
ハード面では道路を広くとって延焼拡大を防ぐために、汐見台平戸線(南区)など数カ所の都市計画道路を前倒しで整備するほか、建築物の不燃化をめざして延焼の危険性が特に高い「重点対策地域」で建築物を準耐火建築物以上とする新たな防火規制を導入。建築物の除去や不燃化建替えの補助も行う。
ソフト面の対策では、地震を感知して自動的に電気を遮断する「感震ブレーカー」設置促進のための購入補助を14年度の早い時期から実施。また、地域防災力向上のために「スタンドパイプ式初期消火器具」の自治会への普及も進める。
木造密集地域などでの規制を伴った防火対策は既に東京都などで行われているが、神奈川県内では初。市の担当者は「『燃えにくいまち、燃え広がらないまち』実現のため、まずは10年で被害を半減させ、その後もさらなる施策を検討していきたい」と話している。
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