青葉区の市立鴨志田中学校(中込千明校長)では、生徒会主体で学校の課題を考える取り組みを昨年末から実施。弁護士ら専門家を迎え、校内アンケートを実施するなどより良い学校に向けた具体策づくりに乗り出している。
同校では数年前から「あったかい学校づくり」をスローガンに掲げているが、具体策に着手できずにいた。これを懸念し、生徒会は全校生徒から聞き取りをしようと、先月スローガンに関するアンケートを実施。結果を集計し、学級委員らクラスの代表が参加する中央評議会で話し合いを行った。アンケートの分析には、昨年同校で行われたいじめ予防授業の講師を務めた弁護士も協力。生徒会役員とともに考察を進めた。2月9日の評議会には生徒18人のほか連合町内会の副会長など地域住民も参加し、議論を見守った。
アンケートでは同校を「あったかい学校だと思わない」という回答が全体の3割にのぼり、その理由に「あいさつが少ない」「いじめがある」などが挙げられていた。生徒たちは「地域の人にもあいさつする」「みんなで協力して掃除をし、達成感を味わう」など一人ひとりが意見を発表。「あいさつやいじめがなくなるなど全てができて『あったかい』といえるのでは」という発言が出ると「見て見ぬふりをしない」「自分がされて嫌なことはしない」など、踏み込んだ意見も上がった。
アドバイザーとして参加した真下弁護士は「いじめに対する取り組みは各学校でみられるが、生徒主導の試みは珍しい。続けていってほしい」と話す。同校では「生徒が自分たちのことをさらに深く考えるきっかけになれば」と期待を込める。今後は評議会での結論を全校生徒に報告して意見を募り、学校全体で話し合っていく予定だ。
横浜市立の学校では市の基本方針を受けて全校で「学校いじめ防止基本方針」を定めており、同校でも昨年3月に独自の方針を策定。保護者や地域住民が第三者として関わる学校運営協議会でも対策を見直そうと、拡大いじめ防止対策委員会を設置。弁護士らも参加しさまざまな立場での連携を強めている。
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