宮城県石巻市を中心に東日本大震災の被災地支援を続けていた、たちばな台在住の倉岡正高さん(48)の声掛けがきっかけとなり、昨春までに40人以上が被災地を訪ねた。それまでも2004年の新潟県中越地震など、震災支援ボランティアの経験があった倉岡さん。青葉区内では地域と学校の連携を図る活動を行うなど、地元での人脈があったこともあり、仕事の傍ら区内の活動希望者と、被災地をつなぐ役割を果たしてきた。
訪問回数は人により異なり、グループとして団体名を持たないが、「それぞれの職業でできることが被災地の人のためになれば、という思いで活動が進んでいった」と振り返る。
みたけ台の洋菓子店「ピュイサンス」のパティシエ、井上佳哉さん(44)と、青葉台のハム・ソーセージ店「シュタットシンケン」の中山弘治さん(39)も、その中の一人だ。以前から知り合いだった2人は、倉岡さんらと被災地で菓子づくり教室などを行ってきた。
親子のケーキ教室も
複数に及ぶ活動で、3人が大切に記憶する一つが、11年秋に石巻市で開いたロールケーキ教室だ。津波で大きな被害を受けた地域の相川保育所で、親子約30人にロールケーキづくりを教えた。「何もできないが、少しでも美味しいものを食べてほしかった」と井上さん。「子どもも大人もあんな笑顔を見たのは久しぶりに感じた。その瞬間は楽しんでくれているのが分った」と倉岡さんも当時の様子を語る。
震災発生以来、菓子職人の井上さんが全国の知り合いの店に声をかけ、被災地に届けるための菓子約1万5000個が集まるなど、知り合いを通じた活動の輪が広がっていた。被災地でよく実施した、中山さんのソーセージ入りポトフの炊き出しの準備には、井上さんの息子が通っていた区内保育園園児の母親たちが参加。このほか倉岡さんと同行後、独自に活動を始めた人もいる。「それぞれの活動の経験が次につながっていけば」と倉岡さんは願う。
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