横浜市は地域の移動手段を確保しようとすすき野エリアで高齢者向けの無料送迎バスの実証運行を行っているが、利用人数が少なく、周知に課題があるとしてPRに取り組んでいる。そうした中で、すすき野地域ケアプラザが10月から受付業務を開始し、すでに登録者が増えているなど新たな動きを見せている。
高齢化の進展に伴い、地域交通の重要性が増す近年。横浜市道路局では、よりきめ細やかな移動手段の確保を目的として、民間が運行する送迎バスを地域の移動手段に活用する「地域貢献送迎バスモデル事業」を開始。昨年12月に鉄町の横浜総合病院と協定を結び、同院が運行する患者向けの送迎バスの空席を活用し、同院発着のすすき野循環コースで今年の1月から実証運行を行っている。期間は来年3月末までだが、9月末時点で利用登録は18人、実際の利用は3人に留まっている。
周知に課題か
市の担当者は「利用はかなり少ないと認識している」と話しながら、「ニーズがないのかもしれないが、まずは周知が必要」と説明。また、送迎バスの利用には、区役所または市役所で登録・発行した乗車証が必要なことから、使い勝手が悪いのではとも感じていたという。「使いたいという人がいても、遠い場所にわざわざ登録しに来ないのかもしれない」と担当者。
そうした中で、すすき野地域ケアプラザが受付業務の協力を提案したのが半年前。ケアプラザの担当者によると、日々の業務の中で利用する高齢者から、「近隣に買い物したい」「身近な所への交通が不便」などの声もあったことから、交通課題への対応策として協力を申し出たという。
その後、同地区やコースに含まれている中里地区の住民と協議を重ね、地域との合意も経た上で、10月1日から受付業務を開始。個人情報などの管理は市が行い、ケアプラザでは受付対応と即時発行を行う。開始からすでに10人の利用申し込みがあるという(10月22日時点)。ケアプラザの担当者は「かなりのハイペース」と話し、「これを機に交通課題への取り組みが広がってくれれば。ぜひ登録を」と呼びかける。
市では事業開始以来、同地区の自治会に依頼し、回覧板を活用して周知してきたほか、連合自治会の定例会などで説明を行うなど利用を促してきた。今後はケアプラザでのチラシの配布や告知などで随時案内をしていく方針だとしている。
利用登録には名前・住所・年齢がわかる身分証等が必要(住所が記載されている郵便物でも可)。自筆の書類を代理人が提出しても取得できる。ケアプラザの窓口は午前9時から午後9時(日・祝は午後5時まで)。市の担当者は「たくさんの人に知ってもらい、ちょっとした利用に使ってもらえれば」と話している。
青葉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|