新型コロナウイルス感染症対策で、小・中学校、高校、特別支援学校等で臨時休業が続いている。外出自粛のストレスの下、保護者と子どもが一緒に過ごす時間が長くなり、虐待の増加を懸念する声も多い。本紙では星槎大学(青葉区さつきが丘)の准教授で、児童福祉が専門の中安恆太(こうた)氏=写真=に、保護者として子どもとどう接するべきか話を聞いた。
横浜市中央児童相談所によると今年3月の虐待通告件数は非公表だが、昨年3月と比べ減っている状況だという。しかし、学校休業で教育現場からの通告が大幅に減っていることと、昨年は女児虐待死事件が大々的に報道されたため、通告が例年よりも多かったことを挙げ、虐待件数の減少を楽観視できる状況ではないと語る。児相担当者は電話での相談状況から「保護者の負荷、家庭内ストレスが高まっていると感じる」と話し、危機感をあらわにしている。
こういった状況の中、中安氏は「虐待の一歩手前、不適切な養育が起きやすいのではないか」と警鐘を鳴らす。具体的には日常生活の中で人格否定や「ばか」などと言ったり、怒鳴ったりすること。中安氏は怒り方について一方的に押し付けるのではなく、子どもが何を求めているのかを考え、フィードバックすることが大切だと話す。例えば、子どもが1時間と定められたゲームをやめない状況であれば、怒鳴るのではなく「何時までの約束かな」「時間内でやめるにはどうしたらいいかな」と質問していく。大切なのは、子どもがゲームをやめることではなく、時間の使い方を学ぶことだと中安氏。「『何のために怒るのか』を保護者には考えてほしい。怒る理由は家庭を安全安心な場所にしたいためで、子どもとの関係性を悪くしたいわけではないはず。いらいらしやすい状況だが、その行動が正しいのか考えてほしい」と呼びかけ、「もし怒鳴ってしまったら子どもに謝りましょう」とアドバイス。「せっかくの機会。親子で過ごす時間を楽しんでほしい」と話している。
一方、自分の感情がコントロールできなくなった場合は、迷わず青葉区役所こども家庭支援課(【電話】045・978・2460)または北部児童相談所(【電話】045・948・2441)にSOSを。夜間の場合は、よこはま子ども虐待ホットライン(【フリーダイヤル】0120・805・240)へ。
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